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異世界転移_魔術練習してたらチートで異世界転移してた。  作者: 君が死んだ次の日は絶好調
第一章 旅立ち
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第三話 俺、危険フラグ回収ルートに入る

 《第三話_謎のおやじ》


 さっそくローブとブーツに着替え、履いていたものをマジックバックにしまうのだが、普通の服を買うのを忘れていて、急いで買ってきた。


「よし、さっきの店に行くか…」


 先ほど鉄を打つ音がした店に寄る事にした。



戻ってみると中からはいまだ鉄を打つ音がしていたのでノックをして入る。

中にいたのは背の低いおっさん。短足に丸太腕。

どこからどう見てもドワーフだ。典型的な。



「何だぁ?ここは何にもないぞ?ほら帰れ帰れ!」


「…ドワーフの店か?」


「んだよ。亜人のドワーフだよ。見ねぇ奴だな。役人か?出てかねぇからな!帰れ!」


「いや、武器はあるか?」


「ケッ、客かよ。そこにあるもん全部うちのだ。久々の客だし、一個ただでやるよ。」



 ドワーフのおやじは役人が嫌いらしい。

シンは初めての異種族に目を輝かせ、武器を眺める。



鑑定するもすべてタダの武器だった。

でも能力補正が全てにかかっている。

この人の武器は付与効果はないが、無属性の付与効果があるのか。


ふむ。特殊付与は俺が出来る様になったらやればいいか。

一個ただ何だし貰って帰るか。



「おっちゃん、このダガー貰うね。」


「刃物?お前は魔術師じゃねえのか?杖もあったはずだが・・・」


「ローブ着てるけど、魔法戦士だよ。」


「はっ!成れる訳が無いだろ!お前みたいにモヤシな少年(ガキ)にな!」


「はいはい、じゃあまた来るよ。」



 扉が閉まるとおやじは鉄打ちを再開し、シンも歩きだした。

先ほど貰ったダガーを腰に下げると宿屋マーリンへと向かって行った。



 表通りに面した宿屋マーリンの隣の路地を伝い、裏通りへ入ってゆく。

裏通りは薄暗く、ガラの悪い奴らがたまっていて物騒極まりなかった。

犯罪集団に囲まれているみたいだ。



「ギルド…か。」



 それらしき建物を見つけて扉を開けた。

中に入った途端に鼻に着く酒臭さ。男女が入り交えて大きなテーブルで酒を飲んでいる。

掲示板らしきところには震えた少年や厳ついおっさんが見入っていて、奥の受付にはボインで可愛いお姉さんが待ち受けていた。



「地獄だな…。」



 文字通り地獄な場所を通りぬけ、順調に進んでゆく。

よかった、御約束の絡みはなさそうだ。



「冒険者登録したい。」


「かしこまりました。銀貨1枚です。ご説明はいりますか?」


「頼む。」



シャイな感じで話かけるとお姉さんは呆れたように笑いながらカードを出してきた。

ギルドカードみたいだ。



「これがギルドカードです。これに魔力を込めて必要事項を念じてください。」


「魔力?」


「えぇ、魔力で表示されてるんです。あらかじめ魔力を貯めておけば数年持ちます。また、魔力とシンクロさせるので犯罪歴や討伐歴、年齢やランクなどが上がります。」


「へぇ、ランクの説明も頼めるかい?」


「はい、ランクはSSS(トリプルS)SS(ダブルS)、S、A、B、C、D、E、Fとなります。実質身分証代わりの方はFランクが多く、ギルドカード所有者の四割がFランクです。また、Cランクまではギルドカードによる判断で昇格しますが、以降はギルドによる試験で昇格します。」



ほう。

つまりは六割が本質の冒険者か…。多いようで多くない中途半端だな。



「デメリット、メリットはあるの?」



「メリットはランクによる商品割引や宿屋割引。商品割引はAランク以降となりますが、実際SSランク(ダブルS)の方は誕生されていません。それと、Bランク以上の方々は指名依頼、国からの緊急任務を遂行する義務が出ます。これくらいですかね。」



「ありがとう、カードの方をやってみるよ。」



 カードに魔力を流し、必要事項を入力していく。

名前、種族は分らないからいいや。年齢、性別・・・?何で性別がいるんだ? 



あ、もしかしてオカマとか御鍋居る感じ?居る感じかな?かな?

(ここでシンの脳内にあのここあ店主がよぎり、無意識に床が抉れるのだが皆さん気づいていない)



「出来たよ。はい、」



 ぽいっと適当にギルドカードを渡すとお姉さんらしくない手付きで受け取り、瞬時にピンと弾いて二本の指で挟みとった。

何これ爽快。



「拝見させていただきますうちに、そこの水晶に手をかざしてください。実質ステータスと、犯罪歴を見てからファーストジョブを決定いただけますか?」


「ん。」



 ちなみにギルカはこんな感じ。



名前:シン・ロヴェルグ

性別:男

種族:未記入

年齢:13

ランク:F

犯罪歴:無

討伐歴:無

職業:未確定



 でもって水晶に手を当てる。

水晶はステータスを映し出すらしい。バレたら面倒くさそうだ。

ばれない様にできる、そんなスキル無かったっけ?



あ、偽装ってそうじゃない?

鑑定してみるとそのようだ。外観、ステータスを偽装するらしい。


外観はわかんないけどステータスは偽装しておこう。



_____________________________________

《シン・ロヴェルグ》 Lv.2  無職


称号:


【体力】…60

【魔力】…1

【攻撃力】…11(素手)

【防御力】…8(みすぼらしいローブ)

【敏捷】…17

【幸運】…19


祝福(ギフト)


固有(ユニーク)スキル》


《スキル一覧》


《魔法一覧》以後省略

_____________________________________



 凄い、屑みたいなステータスだけどまぁ、13歳なら普通だと信じたい。

いやね?13歳だったら普通糞弱いんじゃないか、と思ってね。



武道とか何かで鍛えている人は別だけど…。



「あらあら、随分と若いのね…(13歳なの!?あり得ない!)」


「えぇ、お恥ずかしい…(そこかよ。ロヴェルグに触れてくれなくて助かるけれども…)」


 

ロヴェルグは聞いている限り、面倒な臭いしかしないからな。

でも不思議だ。家族じゃないのに本当の家族みたいな感じがして、馬鹿にされると凄くイライラする。

地球での俺はもっと、こう、家族を悪く言われたらあとからネチネチと仕返しするタイプなのけど。



「で、最初の職業(ファーストジョブ)は?」


 

お姉さんの相手が面倒なので視線もとい会話をそらす。

水晶を見てから、手を触れた。



さっさと職業について宿屋に戻ろう。


 

水晶から何か情報が流れてきた。

順を追って理解していくと、それは自分が就ける職業の一覧だった。



戦士、魔術師、魔法戦士、精霊戦士、呪術師、錬金術師、鍛冶師、騎士、聖職者、狩人、軽業師、召喚師、賢者、魔物遣い、暗殺者、盗賊、忍者…etc.


 

やけに多いが気になるのは魔法戦士と召喚師、賢者あたりかな。

鑑定してみると魔法戦士は文字通り魔法と剣術を使うもの、召喚師は強力な魔物を召喚し、傍に置き戦わせるというもの。賢者はあらゆる魔法を使えるというもの。これに就けば賢者のみが使用可能な技がいくつか使えるらしい。




・・・・・てれってってれー




 決まりだ。魔法戦士。

え?最後に賢者を持ち上げるから賢者かと思った?

うん、でも賢者が使える技って国を滅ぼすレベルだからやめておこうかと。



 国が滅んだら再建費やら慰謝料やらお金取られるし。



「はい、魔法戦士にします。さっそく依頼をみてもいいですか?」


「えっ!?魔法戦士があったんですか!?」


「…(面倒なパターンか)えぇ、偶然ですよ。それより依頼は?」



 何やら受付嬢は驚いた顔で見ているが、シンのセンサーは「面倒事」と判断し、あっさりと流した。

受付嬢も流され、依頼の張ってある掲示板を紹介している。

シンはその中でよさそうな依頼を探す。



「…神竜山の探索、薬草‘ミコア草’探し、水キノコの採取、ゴブリンの討伐…」



 これら全てはFランクの掲示板に張られている。

神竜山とか明らかに可笑しいから却下。



他、ミコア草とゴブリン。

依頼内容は以下の通りだった。


クエスト:薬草探し

時:いつでも

場所:リリアの森

報酬:一本銅貨5枚(上質な物は要相談)

依頼者:宿屋マーリン

備考:薬草をくれぇ…


クエスト:ゴブリン討伐

時:今週中

場所:リリアの森

報酬:ゴブリン一体大銅貨1枚

依頼者:役所のゴルド

備考:ゴブリンが増えてきて役所でも駆除が追いつかない。耳を一セットで一体だ。魔石は貰ってくれて構わん。



 …薬草の採集クエストにいたってはまた宿屋マーリンだし、備考が気持ち悪いし。

でもミコア草とか言う薬草で儲かれそうだ。

リリアの森って言ったってどうせ近場だろうし、ゴブリンがいたら狩ってきて耳を収納してそれからクエストを受けて納品すればいいし。


 

某小説同様、薬草は鑑定に掛ければ上質な物だかどうだかわかるに決まっている。



「お姉さん、依頼は二つ受けられないの?」


「同じ場所での依頼なら銀貨一枚を担保にして受注できるわ。」



 お姉さん曰くこういう感じにダブっている場所の依頼なら、銀貨一枚を預けて同時に受けられる。

期限が過ぎる前に両方終われば銀貨は戻って来る。

失敗すれば戻ってこないし、違約金や失敗料金が取られる、という事。



 でも銀貨一枚ははっきり言って駆けだし冒険者には高いから両立依頼(ダブルハック)をするのは少ないらしい。

もっとも、高ランク冒険者は良くやるらしい。



「森の奥には行かないで下さいね?奥に洞窟があるけど、未調査ですから……」


「さーいえっさー…いってきまーす。」



 もちろんダブルハックしてもらって、さっそく森へ向かった。

受付嬢の言葉を聞き流して___





地図はなかったが何となく勘で進んだら合ってた。

だが街道ぐらい作ったらどうだ…。



「えっと~、ミコア草は~?」



 片っ端から鑑定をしていく。

雑草、雑草、雑草、ミコア草、雑草、雑草、ミラネア草、雑草…



お?今ミコア草と何かあったな。

ぶちりと採集したのは二つの草。

鑑定してみると微妙だった。



品名:ミコア

品質:D

備考:回復効果が微妙にある草。回復ポーションなどになる。


品名:ミラネア

品質:A

備考:特別な力のある草。食べると探し物が楽になるらしい。

ランク:伝説級(レジェンダリー)



 どうやら探し物のようだ。

ミコア草は何というか、例えるならヨモギ。


ミラネア草は、本当に雑草と似ている。というか、ランクという新たな欄に恐ろしい字がある。

疲れてるのかな…



 だが俺は食うぞ!?

探し物が楽になる!?はっはー!

来い!ドンと来い!



ばくんちょ



 シンはミラネア草を飲みこんだ。

・・・一分後、何もない

・・・十分後、何もない

・・・二十分後、何もない



 静かな森の昼下がり、一人静寂に包まれた。

ここで負けてはいかんのだよ、耐えろ。俺!

だってね、良くいうじゃん、何だっけ…?

あれ、ほら、えっと…………あ。



 果報は寝て待て。

・・・え、違う?え、御免。


…一時間後



 もういいや、鑑定してミコア草探そう…

と思ってミコア草を思い浮かべた時だった。



赤い▼が表示された地図が脳内生成された。

ミニマップだ。

もしや、と思って赤い▼の元にある草を千切って鑑定、千切って鑑定・・・



…ミコア草だ!



 ひゃっほーい!上質なミコア草!来い来い!

来る俺の時代!?



と、ミラネア草の効果に惚れ、調子に乗っている時だ。



 急に▼が減ったのだ。

手元の▼も消え、おかしく思って手元のミコア草と新たな▼のミコア草を比べる。

見た目に変わりはない。



 だが鑑定すると一転、品質の違いが出た。

手元のミコア草はDで、新たな方はBだった。

今までとっていたのはD前後だったので素晴らしい上がりようだ。



 心の中で「上質な」って言った為だろうか?探し物が楽になるって…。

そう思って俺はミコア草に誘導されるように森の奥へと消えていった。


 


________「森の奥には行かないで下さいね?奥に洞窟があるけど、未調査ですから……」


受付嬢の言葉が、何処かで再生された気がした。


主人公は知らず知らずに危険にはまってく。


(あれ?言葉がおかしい)


まぁ、次の回はテンプレになりそうでならなさそう・・・・(チラッ)

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