始まり
俺はどこにでもいる普通のにわかミリオタ、ニートでも何でもないただの学生だ。しかしついさっき状況は一変、俺は死んだ。
なんで死んだのか記憶はないし、誰も教えてくれたりはしない。
今頃学校や家族はどうなっているのだろう?
まあ死んだ俺には関係ない話だ、とりあえず目の前のことから片付けなければ。
「君は誰?」
俺は目の前の人影に問う。
「私はあなたにあることを伝えに来た。ところであなた、死んだことは自分で分かっているようね。」
「なぜそれを?」
「考えてることぐらいなら見通せる。」
一体何者なんだ。
「ここは死者が転生するまでの間の世界の入口、死んだ生き物はまずここに来てどの世界に行くかを決める。」
「間の世界って何個もあるのか?」
「そう。ただ、生前の生き方である程度行ける世界は絞られる。」
「俺は、どの世界に行けるんだ?」
「プロペラ機の世界とジェット機の世界、あなたが選べるのはそれだけみたい。この中から決めて」
しまった。変にミリオタだったせいで選択肢がおかしな方向に絞られてる、だけど今からやり直すことはできない。よし、仕方ないもう好きな方を選ぼう、もうどうにでもなれ。
「じゃあプロペラの方で」
「本当にそれでいい?」
「ああ、それでいい」
「わかった。いきなりだけどその世界でのルールを説明する。自分の死ねる回数は1回、他の人を5人墜せば裕福な家に転生、その前に死んだらどこに転生するかはランダムになる。」
「次の人生をかけた戦いってことね。」
「そういうこと。あとほとんど何でもできる整備士もついてくるみたい。」
ゲームみたいでなんだか楽しそうじゃないか、俺の生まれ変わりのためにも人肌脱ぐとするか!
そんなことを思っていると、いつの間にか人影が消えていた。
「とりあえず待ってみるか。」
しばらく待っても何も起こらない、それどころか眠気が襲ってくる。
「寝て起きたら行けるかもな。」
そう思って目を閉じた、その瞬間ほとんど間を置かず眠りに落ちた。
目が覚めるとそこは一軒家だった、窓から見えるのは滑走路、それを見て俺はプロペラの世界に来れたんだと認識する。
「寝るだけで行けるんだったらあの時無理に起きて待たなくて良かったじゃないか、そのぐらい言ってくれても良いのに。」
終わったことにつべこべ言っても仕方がない、まずはほとんど何でもできる整備士に会うとするか。外に出るとなにかを弄っている少年がいた。
「君がほとんど何でもできる整備士?」
「はい。飛行機の操縦と撃墜に直接関係するもの以外なら何でもできます。」
これはなんとも心強い味方を手に入れたものだ。
「俺が乗る飛行機は?」
これがないと始まらない、俺は何に乗ることになるのだろう?ゼロ戦でもいいしスピットでもいいな、いや、コルセアも捨て難いな...
俺の妄想を遮り少年整備士が一言。
「そんなものありせんよ。」
「おい!じゃあ俺は何に乗って戦うんだ!?」
「だからその飛行機を今から作るんですよ。」
それは初耳だ、俺に飛行機を1から作る技術も知識もないぞ。まさか...
「まさかお前って飛行機を作ることも出来るのか?」
「はい。そうです。」
「材料は?」
「それも作れます。」
なんてこった、ノーベル賞ものじゃないか。さすが仮にも異世界だやっぱりどこかネジが飛んでいる。
「では、どのような飛行機に乗りたいですか?」
どうせ架空機体だ、ロマンをめいっぱい詰め込んでやる。待ってろよ俺の空!そして俺が墜す予定の敵機たち!
ガバガバ文章許して下さいなんでもしますから!(何でもするとは言っていない)