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非日常的日常  作者: reco
7/7

自己採点

 あれから一週間経ったが、あたしは相変わらず、どこにでもいるありきたりな高校受験を控えた受験生だった。

 学校へ行き、家に帰り、勉強しながらラジオを聴いて……ともすれば、あれは夢だったのでは? そう思えてしまうほど、あたしはあの時の出来事について思い返すことも、考えることもなかった。

 弟がテレビを見ている。

 あたしはその横を通り過ぎ、冷蔵庫を開けて、コップに牛乳を注ぐ。

 弟はテレビを見て、呟いた。

「これ、ねえちゃんが持ってるのと同じじゃない?」

 あたしはその言葉に誘われるようにテレビを見た。

 あの男だ。あたしの、あのレインコートを着ている。

「活動休止だって。結構良い感じに歌うのに、勿体ないなあ」

 聞いてもいないのに教えてくれるのは、芸能人に興味のないあたしが、男を見ていることが珍しいからだろう。

「ねえちゃん、こいつのファン? 俺のクラスの女子、CD持ってるって言ってた。借りてきてやろうか?」

「いらない」

 あたしはコップを持って自室に入ると、机に参考書を広げる。少し視線を宙に浮かせた後、あたしは勉強に取り掛かった。


 あたしも、男も、非日常的日常は終わったのだ。


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