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龍宮の彼岸花  作者: ABC13
6/6

龍宮

「おっちゃん、これ1つ頂戴」


出店にて肉包飯を買う。

村を出て3日が経った。やはり都は凄い、といったところだろうか。どこもかしこも出店だらけで賑やかに栄えている。


上には提灯が垂れ下がり空を色鮮やかに彩っている。広場では、子供達が鬼ごっこをしながら遊ぶ声が聞こえてくる。


「こんな平和が、続けばいいのになぁ」ボソッ


「そうだな」


ビクッ


驚いて後ろに飛び振り返ると、そこにはあの長がいた。普段着なのか、前とは違う薄青色の着物を着て、赤色の麻紐で髪を結いている。腰には護身用であろう刀を刺していた。長はニッと笑う。


「ここまでご苦労。まぁまだ距離はあるんだがな?」ニヤ


「…」


…ウザイ。

どうやら、長は私の事をあまり好いてはいないようだ。この先が不安になる…。


「まぁ精々頑張るんだな。」


「分かってますー。」


そう言うと長はフッと笑い、待たせていた馬車に乗って龍宮の方向へ行ってしまった。

もしかして、私の様子を見に来てくれたのだろうか…。それにしても…


「馬車…、ずるい…!」



さて、龍宮まであと半日といったところだろうか…。ここ3日程、ほとんど休まず歩いているので、足が生まれたの小鹿のように震えていた。正直、体を動かすのはあまり得意ではない┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈。






┈┈┈┈┈┈買い食いをしながら歩き、半日、遂に龍宮に辿り着くことが出来た。


キッチリとした着物を纏った門番に話しかけ、通行許可を手に入れる。


「あの、すみません」


「はいはいって…あなたは!」


「?なんですか」


門番は慌てふためきながら鳩で文を飛ばす。

ちなみにだが、私たちの連絡手段は文鳩といって、鳩がつけている巾着に路銀を入れて文を飛ばしてもらう。

その鳩は地域ごとに異なるため、文宛屋というところに行って飛ばしてもらうのだ。


門番が文を飛ばして少し経つと、見慣れた顔が門の奥から見えてきた。


「よく来たな鑑属師。遠路遥々ご苦労」


「はい。…そちらの方は?」


長の隣には、髪を稚児髷に結い、薄赤色の着物と薄栗色の衣を羽織った美しい女性がいた。少し珍しい赤茶色の髪色をしていて、2人が並ぶととても様になっている。


「こちらは有林。お前の教育係となる女性だ。」


「教育係…?」


私は部類的には武士のはず…。教育係なんて女官や宦官しかつかないはずだが…。


「あぁ。言い忘れていたな。お前は一応武士だが、戦いの無い間は女官として働いてもらう。」


「え」


「…改めて、女孺女官の有林よ。…よろしく。」


えぇぇぇぇ……



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