人の存亡を賭けた会議
人間全体の行いを見つめ続けていた神さまは、あるときようやく人を滅ぼすかどうかを決めることにした。
しかしいくら造物主と言えども自分だけの判断で滅ぼすのを決めるのはあんまりだと考え、過去と現在に地球上に存在したあらゆる動植物から一つずつ代表を選んで会議を行わせ、その会議の結果で人間をどうするか判断することにした。
会議は始まると同時に、人によって絶滅させられたある鳥が人間を滅ぼすべきだと主張し、ほとんどの動植物がそれに同調した。
そんな中である種族の代表が声をあげる。
「確かに人はどうしようもなく愚かな点が多いわ。だけど最近は少しずつ自分たち以外にも目を向けるようになってきてる。それに、彼らがいなくなったあとに出てくる次の支配種が彼らよりもマシだという証拠はある?」
それに追従して人に飼われる家畜たちを中心に、人を生かしておいてもいいのではないか、という意見もポツポツと出るようになった。
結果として会議は決着がつかず、しばらくは現状維持をするという形に落ち着いた。
会議の後、神さまは最初に人間の擁護をした種族に話しかける。
「なぜ君はあそこまで人間に肩入れをしたのだね?」
「奴隷を守るのは主人の務めではなくて?」
そして、にゃあと笑った。
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