歪
師走の雨の香り
あなたの手を握りしめていた
湿った髪の毛をほぐすように
風を切りながら駆けていた
お互いを信頼できるような
確たるものがなくて
気づいた時には両方が
傷ついて修復できなくなっていた
声にならない声をあげて
進めなくなった脚を切り離した
親愛の表現方法なんて
随分と前に忘れてしまったよ
私たちは歪んでいて
眠れもしないのに
目を閉じて明日を待っていた
皆は理解してくれないんだよ
一発逆転を妄想をして
私の言葉を届けたいと願っても
もう十分だよなんて
優しい人は私に言って聞かせる
一発逆転を妄想をして
私の言葉を届けたいと願うから
私たちは未来の歌を書いて
幸せに過ごしていけるはずさ