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俺が光ることなんてない  作者: はぁる
1/4

1.現実を知る

なんかいきなりネタが頭の中にどっと流れてきたので始めてみようと思います

 人間っていうのは何でも比べたがる生き物なんだ。成績、スポーツ、身長、比べるものは様々だ。

 俺には双子の姉がいる。幼いときから何をするにも一緒だった。小学校に入学し初めてテストを受けたとき、姉は満点を取った。そのときは素直にすごいと思ったよ。

 

 「姉ちゃんすごーい!」

 

 「光希もがんばればとれるよ!」

 

 そのころから姉は俺の憧れの存在になったんだ。両親も言ったさ、「がんばれば出来る」って。それから俺は必死に姉の後を追っていった。姉と対等になるために、両親の期待にこたえるために。しかし、その頑張りが無駄だったと知ったのが中学2年生のときだ。俺は教師に呼び出しを食らっていた。


 「月ヶ瀬...なんでこんなに成績落ちたんだ...。」


 「そんなこと僕に言われてもですね...。」


 「お前そろそろ三年生だぞ?もう少し自分の成績に興味を持て。」


 分かってる。俺だって怠けているわけじゃない。あの姉に少しでも近づくために色々やってきたんだ。でも、成果が得られないんだ。むかしから、いままで、姉に近づいたことなんて無かった。


 「やっぱ『才能』ってやつなのかな。」


 「...っ。」


 一番聞きたくなっかた言葉が教師の口から出た。『才能』。その言葉からどれだけ逃げてきたかは分からない。でも認めたくなっかた。


 「姉のほうはしっかりやれてるのになぁ...お前が出来ないはずがないんだよ。もっとがんばれ!」


 「...はい。」


 薄々気づいてたんだ。自分は姉よりがんばっているはずなのに...何故結果が出ないのか。

 本当は知っていた。姉には皆にはない『才能』があるのだと。

 分かっていた...自分に『才能』はないのだと。


 その後教師が何か言っていたようだが現実が見え始めた俺には聞こえていなく、気がついたら学校を出ていた。校門の前に自分と同じ制服の女子がいた。どうやらその女子は俺に気づいたらしくこちらを振り返って。


 「やっほ!やっとでてきた~。」


 その声と顔には覚えがある。俺の姉だ。

 月ヶ瀬結月(つきがせゆづき)。幼い顔立ちで身長は俺よりちょっと低く、髪は俺と同じ色の黒でサイドテール...?とかいう髪型にしている。

 いつもなら適当な返しをしているところだが、今の俺は穏やかじゃない。このままだと姉を傷つけてしまうかもしれない。そう思った俺は...


「...うるさい。」


 「えっ」


 姉を避けた。



 夕食時、両親は学校から俺が成績が落ちたと聞いたらしく、学校で聞かされたことをまた聞かされた。


 「テストあまり良くなかったらしいじゃん?」


 「うん。まぁ、ぼちぼちがんばっていくよ。」


 「ま、あまり期待しないでおくわ。」


 「...そっか。」


 この通り、両親も俺のことを半ばあきらめている。仕方の無いことだ、これが現実である。俺は中学二年生だ。そんなことでいちいち怒ってたらきりがない。だが俺だって人間だ。つらいものはつらい。捨てられるのだって怖い。


 「...大丈夫!光希もいつかすごい点数取れるよ!」


 苦しそうな笑顔だった。そんな顔をするな。もう分かってるから。


 「うん、ありがとう。姉ちゃん。」


 うまく笑えていただろうか。だが今の俺にはこれが精一杯だ。


 「もし、光希と結月が双子じゃなかったら俺たちは天才を育て上げたってことになるな!」


 「ふふふ、そうね!」


 その会話は俺の心をへし折るのに十分だった。いつか言われるだろうと思ってた『いらない子宣言』。覚悟はしていたがこんなにも心に来るものだとは思わなかった。夕飯は残っているが片付けようと席を立つ。


 「...ご馳走様。」


 「まって!光希!」


 今俺はわざわざ姉の呼びかけにこたえる余裕なんて無かった。




 部屋に戻ってきて冷静になった。あんなのただの八つ当たりじゃないか。両親は悪くない。人間は誰だってより良いものを求める生き物だ。あの人たちは間違っていない。間違っているのは自分だ。俺が姉の、結月の双子の弟であること、俺の存在が間違っているのだ。だったらこの人たちと距離を置くべきなのではないか。この人たちの汚点にならないようにしなくてはならない。


 「光希!大丈夫!?」


 「ん?大丈夫だよ。」


 「気にすることなんて無いからね?」


 もとから気にしていない。あの人たちが言ったことは事実なのだから。


 「ありがとう。結月(・・)。」


 「...へ?」


 「今日は出てってくれ。色々ありすぎて疲れた。」


 「...なんで...名前なの?」


 挙動不審な結月を無理やり部屋の外に出す。


 「...お休み。」


 そのときの俺はどんな顔をしていただろう。だが、不思議と心はすっきりとしていた。




 あれから二年たった今日。はれて高校一年生になれた俺と結月は同じ学校に向かおうとしていた。両親との会話は減ったが、結月とは前とあまり変わらなかった。


 「光希!同じクラスになれるといいね!」


 「そうだな。」


 世の中には『君の人生では君が主役だ。』的な言葉があるが、それは間違いだ。どんな小説や劇でも主役とモブに分かれるだろう?それと同じだ。俺は目立ってはいけないモブだ。どんな話しでも主役にはなにかしらの能力がある。俺にはそれが無い。だから、


 俺、月ヶ瀬光希(つきがせみつき)がモブになるという選択は間違いではない。

どうでしたか?今回は企画書から作っているので終わるまでを目指したいです。

良ければ感想等よろしくお願いします。

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