冒険者になる
冒険者登録のお得なところ。
・役所に発注される依頼を受けられる
・役所にて適正価格での素材買取が可能になる
・身分証の代わりになる
・討伐した魔物は冒険者カードに自動登録される
サリーさんからの説明をまとめるとこうだ。
カードを無くした場合、再発行にコインがかかるが、他は特にデメリットはないそうで異世界人は大体皆登録するらしい。
またテイマー協会に行くならば、冒険者登録をしておいた方がスムーズだろうとのこと。
細かい気遣いまでできるサリーさん流石です!
もちろんさせていただきます。
「ではまずこの用紙の空欄を埋めていただけますか?」
そう言われて冒険者登録(異世界人用)と書かれた1枚の紙を渡された。
マルコさんにことわって豪華な部屋に見合った豪華な椅子と机を借りる。
ヌーにも手から降りてもらうと一緒に紙を覗き込んだ。
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名前 メリア
年齢 9
種族 神族
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記入欄が少なすぎるのは異世界人用だからだろうか?
空欄を埋めて最後に右下に拇印を押して、サリーさんに返す。
サリーさんが確認のためか、さっと目を通した際、少し驚いたようだったが何も言わなかったので、私も黙っておく。
次に、と取り出したのは水晶玉だった。
占い師御用達といった感じのものだ。
「こちらに私がいいと言うまで手を当ててください。メリア様の情報を登録します」
これによって、犯罪歴や討伐情報などがわかるようになるらしい。
そんな凄いことが手を当てるだけでいいなんて、水晶玉さん優秀だなあ。
「はい。もう離して頂いて大丈夫ですよ。無事登録完了です。ご協力ありがとうございました。カードを発行してまいりますので、少々お待ちくださいね」
そう言うとサリーさんはマルコさんになにか耳打ちをしてから、部屋を出ていった。
一仕事終えた気がしてふっと力を抜くとバーニャさんには疲れたように見えたのだろうか、気遣ってくれる。
「メリアちゃんお疲れ様。このあとテイマー協会にも行かなくちゃいけないけど大丈夫かい?」
「私は大丈夫。バーニャさんは大丈夫?長い間付き合わせてしまってごめんなさい」
「全然いいのよ。なんせ年寄りの時間はたっぷりあるからね。貴重な体験をさせてもらってるわ」
そう言ってみせる笑顔に、言葉に、どんどん信頼度が増していく。
いい人過ぎるよ。
バーニャさん大好き。
癒しのおばあちゃんにキュンキュンしながら会話を続けていると、10分後程にサリーさんがカードと冊子を持って帰ってきた。
カードは綺麗な若草色でクレジットカードサイズのものだ。
名前のみ表示されている。
「こちらが冒険者カードになります。専用機械に通しますと情報が見れる仕組みになっております。また、ランクによってカードの色が変わります。登録されたばかりのメリア様のランクはFです。昇格されますと、難易度の高い依頼を受けることができます。依頼達成度によってランク昇格試験をご案内させていただきますね。詳しくはこちらの冊子をご覧下さい。冒険者の決まりやこの辺りに出る魔物の特徴、平均買取価格なども書かれてますので、お役立てください」
「ありがとうございます。また落ち着いたら依頼受けにきます」
「はい、お待ちしてますね」
渡されたカードと辞書のように分厚い冊子を大事にアイテムボックスにいれる。
至れり尽くせりだなあ。
また時間ある時にちゃんと読まないと。
うん、これで役所でやることは終わったかな?
「それじゃあマルコさん、サリーさん本当に色々とありがとうございました。」
「あぁ。また何かあったらいつでも相談においで。なくてもね。」
「メリア様のこれからのご活躍をお祈りしております」
こうして、ヌーのテイム許可、更に冒険者登録まで済ませた私は、役所をあとにするのだった。
今度こそテイマー協会に向かおう!