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隠し洞窟④

 

 白い大理石のようななめらかな肌に、トカゲのような手足。

 すらりと長細いそれを人間のようにあぐらを組んで座っている。

 目や鼻はないようで、その分喋った時に大きく裂けた口から、ギザギザの歯と2つに分かれた真っ赤な舌がチロチロとのぞいているのが目立つ。

 大きさはゾウくらいあるだろうか、いや立ち上がればもっと大きいかもしれない。



 ただ、そんなことより気になることがあった。

 それから目が離せない。



「やっぱり怖いかい」


 何も言わない私に白さんがそっと声をかけてくる。

 それに呆然としていた意識が声によってはっきりさせられると同時に私は叫んだ。


「違うよ!尻尾が!!!!」


 お札が沢山貼ってある大きな剣が、白さんの長く先が鋭く尖っている尻尾を貫通し、地面に刺さっていた。

 血は流れていないようだが、痛々しい。


「ああ、これは昔ここに封印されたんだよ。剣を抜けば魔力が吸い取られ、体力が奪われて死んでしまう。死ぬ勇気もない僕はここにいるしかないんだよ。もう慣れてしまったから大丈夫」


 白さんはなんてことないように言うけど。

 慣れただなんて、大丈夫だなんて言葉をそのまま信じるほど、私は馬鹿じゃない。

 あんなに私の話を楽しそうに、羨ましそうに聞いていたのだから自由になりたいはずだ。

 表情はわからないはずなのに、なんでだろう寂しそうに見えた。




「私、私ヒール使えるよ。私が治してあげれば白さんは自由になれる?」


 そうだ。

 剣を抜いて、すぐにヒールをかけて治せばいい。


「ありがとう。でも無理なんだ。古い、古い呪いみたいなものだから。治癒魔法の効きが悪い上に『ヒール』では……何百回かければいいのかわからないね」


 優しい声だけれど、それは私が期待した答えではなかった。

 白さんは完全に諦めているようで、それが私はとても悲しくて凄く嫌だ。

 何か、何かないだろうか。

 白さんが自由になる方法は。


 考えていると耳元で小さくホーと聞こえ、肩に乗って寄り添ってくれているわたんが心配そうに、こちらを見ていることに気付いた。




 ……ん?


「何百回もヒールをかければいいの?」


「そりゃあ僕が回復するまでかければ、助かるだろうね。でも魔力が足りないだろう。……いいんだ。たまにここに遊びに来てくれないかな?それで話し相手をしてくれたら、僕はとても嬉しい」



 それを聞いて安心した。




「白さん。貴方を救えるかもしれない」


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