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私のステータス

 人気が少なくちょっとした隠れスペースに政にぃが黒のレジャーシートを広げ、そこに3人で座る。

 せっかくなので、買ってきたミーン焼きを皆で食べながら確認しよう。


 ……んんん!ジューシー。

 少し冷めてしまったにも関わらずとても柔らかく、癖になる味だ。

 塩はもちろんのこと、タレもオリジナルなのか味わったことの無い甘辛さで仕上げていて、飽きさせない工夫がしてありとても美味しい。

 次から次へと手が伸び、あっという間になくなっていく。

 これはリピ決定である。


 満足した私達はようやくステータスの確認作業に移ることにした。

 ステータスを見せるにはフレンドになり、私が許可しないといけないらしい。

 2人と握手をしフレンド登録、許可してステータスを公開する。


...............................................

【プレイヤーネーム】 メリア

【種族】 神族 Lv1 位:2

【職業】セットされておりません

(テイマー、ヒーラー)

【オンリー称号】皆の妹

【得意】防御、サポート、魅了

【不得意】闇、不意打ち、霊


 体力:100/100

 お腹の状態:満腹


 スキル:《治癒魔法Lv1》《光魔法Lv1》《テイムLv1》


 テイム仲間

 わたん

...............................................


 最初見たものより、色々と増えている。

 これがいいステータスなのか私では判断できないので、ドキドキわくわくしながら2人に顔を向ける。

 すると2人揃ってあちゃーという顔をしていた。


「な、なにその顔ー!なになに、変なとこある?もしかして弱い?」


 私としては自分に合っている気がしていただけに焦る。


「弱くはない。サポートキャラとして活躍できる。ただ、神族はやっかい」


 菖蒲ねぇが言いにくそうに口を開く。


 話によるとこうだ。

 神族は位をあげるごとに強くなる種族。

 そして位をあげる方法で確認できているのが、専用クエを達成する、信者を増やす、貢いでもらうだそうだ。

 専用クエはそうそうあるものではないし、信者は1度なると抜けるのが大変なので、なかなか増えない。

 となると必然と貢いでもらうを選ぶ人が増えた結果、悪質なクレクレや詐欺事件が大量発生したというわけだ。


 ここのキャラクリの性質上、同種族は性格等に近しい何かがある可能性が高い。

 その事件を知っている人は神族=クレクレ、詐欺師というイメージを持っている人も多く、もしかしたらそれで嫌な思いをするかもしれないということだった。


 なんって迷惑な話だろうか。

 確かにそれを思うとやっかいだ。


「まあ、椿……いや、メリアはそんな風には思われないとは思うが、自分から神族を名乗るのは避けた方が無難かもな。そういえば位が2に上がってるみたいだが、誰かになんかもらったりしたか?」


 あ、本当だ……。

 いつの間にか位が2に上がっている。

 ただ何かを貰った覚えが全くない。

 うーんうーんと考えていると菖蒲ねぇが「ログ見ればわかる」というアドバイスをくれた。

 さっそく遡ってみると、どうやらバーニャさんとピンクキャットさんとフレンドになったことと、ミーン焼きのおじさんに貰ったおまけが原因らしいということがわかった。


「おい……この情報って確認されてたか?」


「今掲示板で検索かけた。ない。今まで通り3つだけ」


 慌てた様子の兄姉達に私は見守るしかできない。

 しばらく2人で話した後、ふはっと笑いだした。


「さすがだわーやらかしてくれるわー」


「そこにシビれる、憧れる」


 わしゃわしゃと頭を撫でられ、ぎゅーっと抱きつかれ、揉みくちゃにされる。


「もー!髪の毛ぐちゃぐちゃだよ」


 よくわからないけれど、とりあえずこういう構われ方は嫌いじゃない。

 でも形式美として怒ったふりをする。

 兄姉達もそれがわかっていて、軽くごめんごめんと言いながらもさらに撫でまわしてくる。


 しばらくじゃれついたあと、説明してくれた。


 住人とフレンド登録や住人からの貢がれもカウントされるということは神族の人にとって、かなりの有益な情報らしい。

 なんせ嫌われようとクレクレや詐欺を働く程に、位がもたらす効果は大きい。


 ただこの情報を流すと、今度は住人が被害に合うかもしれないとのことだった。

 それは避けたい。

 3人でなにか方法はないかと考えたが、いい案は思い浮かばない。


 この件は少し置いておくことにした。


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