表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10/30

待ち合わせ

 わたんのこと、バーニャさんのこと、役所でのこと、テイマー協会でのことを夢中で話していると、レベル上げを全然してないことを指摘された。

 た、確かに……冒険者登録はしたものの、冒険者らしいことはしていない気がする。

 私はお決まりとやらをガン無視した行動をしていたらしい。


 そこで早く私のゲームキャラも見たい、わたんも見たいと言っている政にぃと菖蒲ねぇにさっそくゲームの中で会って、ついでにレベル上げを手伝って貰うことにした。


 棗にぃと百合ねぇは今日は夜遅くにINするらしいので、また今度合流予定だ。


 待ち合わせはワンワン広場の噴水前。

 見た目はリアルとそう極端に変えれないのでわかるだろうとのこと。

 

 じゃあまたゲームでねと部屋に入る。

 ベッドに放り出されたままのくまごろうを元の位置に直して、専用ギアに寝転がった。


「DIVE IN」



 再びあの世界へ意識を飛ばし、目を開けるとそこはあの殺風景な宿だった。


「わたんー!おはよー!」


 ベッドに腰掛け、従魔の守り石に向かって呼びかけると、ホッホーと出てきてくれる。

 そしてホッホ、ホッホと膝に乗って、その柔らかな羽を擦り付け、甘えてくる。

 私しかいないからだろうか、少し時間が空いて寂しかったからだろうか、甘え度が上がっている気がする。

 可愛いから大歓迎だけど、もし私がログアウト中に寂しい思いをしてるならどうにかしてあげたいなあ。

 またピンクキャットさんに相談してみよ。



「今日はね、私のおにぃとおねぇを紹介するから!仲良くしてくれたら嬉しいな」


 そう言い聞かせるとホー?と首を傾げる。

 まあ、会ってみないとわからないよね。


「あと戦闘もする予定!頑張ろうねっ」


 ぐっと私が腕を曲げ力を入れると、わたんもホッ!と羽根を上に上げた。

 普段はほわんとした顔付きが心做しかキリッとしている。

 やる気は十分のようだ。

 よーし、頑張るぞ!


 わたんには再び従魔の守り石に入ってもらい宿を出、ワンワン広場の噴水に向かう。

 が、途中でフリー市場を通るのでついでにこの前気になっていたミーン焼きを買う予定だ。

 おにぃとおねぇにも買っていこ。

 先程リアルで食べたばかりだが、ゲーム内はゲーム内で別に空腹を感じるようだった。


 そういえばわたんもお腹空くんじゃ……?

 バーニャさんがパンくずをあげていたし、食べるの好きみたいだったもんね。

 これもピンクキャットさんに聞かなきゃ。

 ある程度レベル上げしたらテイマー協会に行こうかな。

 バイトもして稼がなきゃだし!



 フリー市場についたので、ミーン焼きの屋台に並ぶ。

 朝よりお客さんは少ないようで、すぐ私の番がきた。

 色黒で愛想のよさそうなハツラツとしたおじさんが対応してくれる。


「嬢ちゃんらっしゃい!何味を何本にする?」


「えっと塩が6本、タレが3本でお願いします。」


「あいよ!可愛い嬢ちゃんには1本おまけしとくから気に入ったらまた来てくれな」


「わあ!ありがとう!」


 にししっと笑うおじさんにこちらも嬉しくなる。

 気に入ったらってとこがいいよね。


 9本分の代金1800コイン。

 初の支払いだが、やり方は教えて貰っている。

 石版のようなものに手をかざし1800コインと念じる。

 すると、無事払えたようで紙袋にいれられたミーン焼きを渡してくれた。

 もう1度お礼を言っておじさんと別れると、少し早足で噴水へ向かう。


 早く合流して食べたい!

 その一心で。

 


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ