プリン 短編小説
安いプリンが好きだった
瓶に入ったプリンや焼きプリンと違う
3つで100円の安いプリン
プルッとしていて、他にはないような味の
あのプリンが好きだった
また買ってきて上げるからと言われても
これだけは妹たちに譲れなかった
子供たちからのプレゼントはいつもこれで
冷蔵庫はいつもプリンでいっぱいだった
やがてたくさんの人がプリンを置いていき
僕の周りはプリンの甘い匂いと
独特のしょっぱい匂いが漂っていて
僕の大好きな人たちは
僕の大好きなプリンを置いて
ひたすらに泣いている
僕にプリンを取られたのが
そんなに悲しかったのか?
泣かないでくれよ
プリンならまた買ってきて上げるから
そしてだんだん甘い匂いに酔って
僕はゆっくりと眠りに落ちた