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序章
憎い。
この国の王が。
憎い。
私の家族を奪った者達が。
憎い。
私自身の存在が。
絶対復讐してやる。
この国の全てを奪ってやる。
そのために私は何でもする。
神様でも悪魔でもなんでもいい。
私の全てをあげるから力を頂戴。
「あなた生きたいの?」
だれ?
「それならこちらにいらっしゃい?」
どこにいるの?
「大丈夫怖くないから。」
頭のなかに響く美しい声。
天使の声のようだった。ここは天国なのか。
霞む眼の前には、白い大きな剣と黒い扉。
白い剣に触れた瞬間、私の身体の内から光が溢れだす。
傷付いた身体が嘘のように治っていく。
痛みが消え傷も消えた。
そして、手には美しい光の剣が握られていた。
「封印を解きし者。そなたの望みはなんだ?」
「…この国を滅ぼすこと。」
「勇者の血を持ち破壊を望むとは!運命なのかもしれないな。」
「そうね。ついに私達の待つ者が来た。」
「「そなたの願いを叶えよう。」」