バレーでドタバタ
剛が気を失った湊を保健室まで運び終え、体育の授業に合流した。
蓮「湊は大丈夫だったか?」
剛「あ〜特に問題ない。それにしてもなんで、あんな鼻血なんて垂れ流して気絶したんだろうな。」
二人は、心配そうに話していた。
慎「くくくくくっ……さ〜なんでだろうな……」
慎は、笑いを堪えてるように見えた。
元気「大丈夫だったか?」
剛「あ〜問題ない。そういえば今日の授業はバレーだっけ?」
元気「あ〜そうだぞ。今日は二人一組でペアを組んで試合だ。お前は俺と組むことになった。宜しくな。」
元気が爽やかな笑顔を見せる
剛「あ〜宜しくな。」
剛も笑う。
剛が周囲がざわざわ話しているのを感じた。
慎「くくくくくくっ……」
剛「どうした?」
慎「いや、何でもない。」
慎が薄ら笑みを浮かべていた。
元気「じゃ〜アップを始めよう。僕からサーブを始めるからレシーブで受け止めてくれ」
剛「おう、分かった。」
元気「せや」
空振るボール
剛「え?」
元気「せや!」
明後日の方向に行くボール
剛「え?!」
元気「せや!!」
自分の後頭部を叩く、元気
剛「え〜?!?!」
元気「おかし〜な〜、あと少しのはずなのに……」
剛「何処がだよ!!え?お前野球部のピッチャーで主将候補だよね?」
元気「そうだが?」
剛「いや…そうだが?じゃね〜よ〜!!お前!!俺体育の成績悪すぎると、監督に呼び出されるんだぞ!!」
元気にキレる剛
元気「分かった!!本番までにはどうにかする!!」
剛「あ〜もういいよ。俺がサーブやるからレシーブやってくれ」
元気「分かった。」
剛が、サーブを行う。
元気「たー!」
明後日の方向にスライドし、レシーブする元気だった。
剛「………」
元気「…………」
二人の間に沈黙が流れる。
剛「お前!!本当に野球部かよ!!キャッチボールできるんだったら、レシーブくらいできるだろ!!」
元気「すまない!!あと少しでできる!!」
無駄に爽やかな笑顔で答える元気
剛「頼むぜ…本当に…」
元気「任せろ!あとは感覚の問題だ!」
剛「感覚なかったら一生できねぇだろ!」
そんなこんなで試合が始まった。
初試合は蓮&慎ペアだった。
慎が下衆な笑みを浮かべながらこっちを見ていた。
剛(やべ〜…胃が痛くなってきた…これ、絶対ろくなことにならねぇやつだ…)
じゃんけんにより、最初慎たちがサーブを行うことが決まった。
慎が、ボールを上に上げ、ジャンプサーブを、行う。狙いは剛のようだ。
剛(これなら取れる!)
元気「俺に任せろ!!だー!!」
剛に突っ込みぶつかる元気、
慎たちの点数になり、再びサーブを行う
元気「俺が取る!!はー!!」
再びぶつかる元気
慎が小さく笑いながら再度サーブを行う。
元気「次こそは!!でやー!!」
ドガァッ!!
剛「ぐはぁっ!!……って、なんでお前だけ爽やかな顔してんだよぉぉぉ!!!」
鼻血を垂れ流す、剛
元気「すまない!!次こそはやる!!」
剛「ね〜ね〜!!何?君本当に野球部?そんなにタックルしたいならラグビー部の方が良いんじゃない?」
剛は怒りの表情を浮かべていた。
慎「くくくくくっ……」
慎が薄ら笑いを浮かべていた。
剛(あの野郎!!いつか覚えてろよ!!)
その日の体育の授業はそこで終わった。
保健室から戻った湊が剛達を迎えた。
剛「お〜湊、体調は大丈夫か?」
湊「うん、大丈夫だよってどうしたのその顔!!バレーボールの授業だよね?!
格闘技の授業にでも変わったの……!?」
剛の顔には痣と切り傷ができていた。
剛「これはな……なんでもね〜よ……!!」
剛の顔から怒りの色が現れていた。
慎「くくくくくっ……」
剛の後ろでまたしても笑う慎であった。




