更衣室は危険がいっぱい
湊はデートの日程も決まり、上機嫌で学校に登校し、教室に着いた。
剛「よっ!!」
剛がいつものように話しかけてきた。
湊「おはよ〜」
剛「なんか今日やたらと上機嫌だな。なんかあったか?」
湊「いや、何もないよ」
湊が、軽く笑いながら答える。
剛「ふ〜…女か……」
剛がからかうように目を細めながら笑う。
湊「違うよ!!」
湊は否定する
湊(本当は君とデートなんだけどな……)
剛「ま〜お前モテそうだよな〜。ギャルゲーの主人公みたいだし」
湊「え〜?!っていうかギャルゲーの主人公っぽいってプレイでもしたの?」
剛「いや、冗談冗談、あ〜蓮の影響でな、結構面白いし、今度俺デートするから、その予行練習になると思ってな。」
剛が軽く笑う
?「そんなんだからお前は、モテねんだよ。」
その声に振り向くと、褐色の肌に、ある程度鍛えられた体に坊主頭、その体に似つかわしくない美しい精悍な顔立ちを持つ人間がいた。
彼の名前は、黒崎慎、野球部の4番バッターで、顔も良い学校一のモテ男である。
慎「雌豚なんて、その場で適当に甘い言葉かけてだまくらかしときゃ、勝手に惚れてくんだよ。」
慎の顔にはドス黒い笑みを浮かべていた。
剛「なんで、こんなカス野郎に彼女ができて俺にはできないんだ……」
剛が、顔を埋める。
湊「初対面でボールが、疼くなんて言ってる人が言えることじゃないと思うけどね…」
湊が静かに突っ込む
?「どうしたんだい?何かあったのか?」
その声の持ち主は褐色の肌に坊主頭に鍛えられた体、素朴な顔立ち
彼は野球部のエースで次期キャプテン候補、矢口元気である。
元気「慎、あまり問題は起こすなよ。大会出場できなくなるからな。」
元気が慎に注意する。
慎「なんも、やってね〜よ。ただ、こいつが今度デートらしくてな。この俺が直々に教えてやろうとしてたんだ。」
慎がニチャーと笑いながら言った。
剛「お前の助けなんて絶対借りん!!」
元気「ん〜〜、デートか」
元気が考えるように目を瞑る
元気「そうだな〜、トレーニングなんてどうだ!!一緒に汗かけば見えてくるものもあるだろう!!」
元気の目には火が宿っていた。
剛「いや、初デートでトレーニングって…お前……引かれるだろ……」
剛が軽く引いていた。
湊「トレーニングか……」
湊はふと思い浮かべた。ジムで汗を流す剛の姿を
湊(意外とありかも……)
剛「どうした、湊なんか変な顔になってるぞ…」
湊「いやいや!!何でもないよ!!」
蓮「こんなに集まってどうした?」
その時、蓮が通りかかり、声をかけてきた。
話を聞く蓮
蓮「なるほど〜そういうことか……
ならば俺のギャルゲーは役に立つだろうな……」
ドヤ顔で話す蓮
剛「いや、初デードでそんなシチューエーションはない。ただ、ゲームはめっちゃ面白かったな〜。ヒロインが周囲の圧に負けず、主人公に想いを伝える瞬間は号泣もんだったな…」
目に若干の涙を浮かべる剛。
蓮「お前にも分かるか!!あの名シーンが!!」
蓮も涙を浮かべていた。
そこにひまりが現れた。
ひまり「おい!そこの馬鹿5人!次の授業体育なんだからさっさと準備しろ!」
剛「もうそんな時間か」
5人はひまりの言葉で男子更衣室に移る。
湊にとって体育の授業は憂鬱と楽しさ両方あった。湊はパっと見運動神経が悪そうだが、別に体育は可もなく不可もなくなので、そこまで体育の授業には差し支えない。
問題は更衣室である。クラスの男子達が着替える所が苦手であり、天国なのだ。
特に剛の肉体は見る度に鼻血が出そうになるほど刺激が強い。
ボクサーパンツ1枚の姿は毎度のこと海外のストリッパーのような肉体だった。
更衣室で着替えてる最中慎が、邪悪な笑顔を湊に向けていた。
慎「おい、湊、なんでお前そんな女みたいな着替え方してんだよ。こっち来いよ。」
慎は湊の手を握り剛の前まで引っ張る。
湊「ちょっ……待って……」
湊はされるがままに、更衣室の端から剛の前まで移動させられる。
剛「ん?どうした?」
慎「いや、何湊がお前の筋肉美を堪能して〜んだってよ。」
慎が笑いながら剛に伝える。
湊「ちょっと、何を!!」
剛「ふっ……いいぞ!!」
パンイチで次々とポーズを取る剛、顔が、徐々に顔が赤くなる湊
剛「どうだ!」
ドヤ顔でキメる剛だった。
湊「もう良いから!!服着替えさせて!!」
慎「いやいや、まだまだこれからだぞ」
慎が何か企んでいるような顔をしていた、その瞬間、慎が剛のパンツを下ろした。
剛「おい!お前何しやがる!」
その時だった。湊が鼻血を垂れ流し、失神していた、だがその顔は幸福に包まれていた。
湊(我が生涯に…一片の悔いなし……)
剛「おい!どうした!急に!保健室まで運びに行かね~と!」
そのまま剛が湊を保健室まで運んでいった。