3話
あれから一ヶ月経ち。
徐々に体重も落ちてきて見た目も変わってきてる!
やる気は充分!
なんかね、急にすとーんと落ちたの。
5キロ。
か、体が前より軽い!
こんな違うのか!?って思う。
本当は一ヶ月に1〜2キロ減るのが
良いらしいんだけどね!
そして何故か
高校にオロバスも通う事になった。
普通に溶け込んでんのは魔術らしい。
何やってくれてんの。
お兄もあの後、パパに部屋で説明を受けた後に
珍しく青い顔をしていたらしい。
そりゃ、そうなるよね。
そ、れ、に、し、て、も、だ!
「あの、オロバスが居たら
私は恋が出来ないんだけど…?」
恋、うまれない。
登校、下校はいつも一緒!
バイトも見られてる感じあるよね。
流石に働くのは嫌か、オロバスよ。
「依頼主は工パパだろ?俺に言うなよ」
「んでもさー!」
「パパに言えよ」
「い、言えない」
あの日、オロバスを呼び出したパパを思い出してぶるぶるぶるっと震えて両手で体を抱きしめる。
「悪魔より怖がるって何だよ。癪に触んな。」
オロバスは眉間に皺を寄せて睨んでくる。
「だって、オロバスは私には危害加えられないでしょう?」
私を守るんだもんねぇー!
それがパパの願い!だからね!
「…ちッ」
オロバスはふん。と鼻を鳴らし先にバス停へ歩いて行ってしまった。
「あ、怒ったー!ねぇねぇー!」
追いかける私は笑みが溢れる
(揶揄うのが癖になってしまった、悪魔だって全然思えないんだもん)
「オロバース!待ってよー!」
♢
そう、授業があれば
テストもありますねーーー!
赤点取りそう…です。はい。
ダイエットに集中し過ぎて勉強が疎かに!
いや、本当はもともと勉強嫌い。
お、オロバスはどうなんだろう。
斜め後の席へ視線を送ると
ニヤリと笑われた。
どうやら自信満々だ。
え?何それ?また魔術?
って口パクしたら
バーカ。テストくらい余裕なんだよ!
って口パク返された。多分。
マジかマジかマジなのか?
頭良いのか、オロバス『様』
よし、今日から私を守る為に
頑張ってもらおう!
という事で…
勉強、教えて下さい!お願いします!って
口パクしたら
先生に肩を叩かれた。
「今牛さんはテスト自信があるんですね?分かりました、楽しみにしておきます」
え。全然自信無いし。
「…せ、せんせ…?」
め、目が笑ってないよ?
眼鏡も光ってる。
みんなが想像しやすいザマス系よ!
チラッとオロバスへ目線を送ると
バーカ。だってさ
こういう時こそ守れーーーー!!!!
その後、チクチクチクチク先生に
嫌味を言われながら授業をこなしました。
「終わった…」
な、なが…長かった。
机に突っ伏すと上から笑い声が届いた。
わかる、奴だ。オロバス、表でろ!
顔を上げてキッと睨むと
更に大笑いされた!
なんだよ!仕返しか!
朝の仕返しなんだな!?
いったいどこの部分が誠実なんだ!
「いーもん、いーもん、優衣ちゃんに教えてもらうからぁあああ」
友達の優衣ちゃんは教え方も上手いんだからね!
名前の通り優しいし!
おかっぱで目はくるくるぱっちりで可愛いし
見た目が清楚!
口を尖らせてオロバスとは反対方向へ向く
「拗ねんなって、子供か!」
「子供だよー!」
多分、歳が相当離れてるよーーー!
「俺は子守を頼まれたんだな?
はぁ…家で教えてやっから、機嫌直せ!…な?」
「…ほんと?」
「ほんと!」
「あ、ありがとう。助かります…」
オロバスは優しい。
本当に悪魔なのかな?って疑いたくなる程
面倒見が良いんだよね。