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隣の芝生は青い!  作者: おしゅし
2/5

第2話

「あのさぁ、大葉君、君このままじゃどこも進学するような大学ないよ?」


「今だったらまだ間に合うし、高卒で採ってくれるような会社ないよ?」


今こうやって俺に注意をしてるのはうちの担任の大和田 咲希だ。

まあ彼女も結果を出すことに必死なのだろう。


「別にいいっすよ。土木とかバイトで飯食っていくんで…」


「それじゃあ。」


「あっ、ちょっと待って!」


先生の言葉を耳にも入れず、俺は職員室を後にした。



﹉ ﹉ ﹉ ﹉ ﹉ ﹉ ﹉ ﹉ ﹉ ﹉ ﹉ ﹉ ﹉ ﹉ ﹉ ﹉ ﹉ ﹉ ﹉ ﹉



俺は帰路に就いていた。

おれの高校は偏差値も対して高くない普通程度の学校だ。けれど進学志望者が多い。


「全員イキリやがって…」


ああいう意識高いやつがいるから俺のようなやつが惨めに見える。


「早く大人になりたいなぁ。」


どうせ大人になったところで何もする事はないが、とりあえず親の目が無くなり、金も自由に使えるのが1番の強みだろう。

そう考えてると、


「ねぇねぇそこのお兄さん。どうしたんですか?」


いきなり声をかけられた。

驚き俺は咄嗟に振り向いた。


「お兄さん、お兄さん。なんか浮かない顔してますね。」


そこには肩にかかるくらいの茶髪、幼い顔立ちの女性が立っていた。

服装は大人っぽいのだが、大人と言うより背伸びをした子供のようだ。


「なんですか?あなた。」


「通りすがりのただの人ですよー。」


「いやいやそんなこと聞いてないんですけど。」


「自己紹介しただけじゃないですかー。」


「それより、ちょっとお茶していきませんか?」


これはナンパされているのだろうか?

俺みたいなヤツをナンパなんて趣味の悪い人なんだろうなと思う。


「いや、ないですから。」


「えー!いいじゃないですかー。」


「警察呼びますよ。」


「それは勘弁ですかねー。」


「じゃあ諦めて下さい。」


「いやいや、それはできないって言ってるじゃないですかー。」


どうやらこのまま話していても逃がしてはくれなさそうだ。


「わかりましたよ。どうせ暇ですし、」


「やった!じゃあそこら辺のファミレスでも行きますか。」



﹉ ﹉ ﹉ ﹉ ﹉ ﹉ ﹉ ﹉ ﹉ ﹉ ﹉ ﹉ ﹉ ﹉ ﹉ ﹉ ﹉ ﹉ ﹉ ﹉


俺とその女はファミレスまで向かった。

そして道中その女の名前が黛 千春であることがわかった。


「で、話ってなんですか?」


「いやいや早いですって、何か頼みましょうよ。」


そう言って黛は注文用のタブレットを手渡してきた。


「私がお金は出しますから。」


そう言って黛は笑いかけてきた。

なので容赦なく、山盛りポテト、チーズハンバーグ、おまけにデザートのパフェまで頼んでやった。


「黛さんはどうします?」


「あっ、私はドリンクバーで。」


そして、伝票を送信し、もう一度聞き直した。


「で、なんで俺をここに連れてきた?いい加減話してくれ。」


「仕方ないですねー。」


「今日ここに大葉 樹君と話をしたいって言った理由は…」


あれ、俺名前言ったっけ?


「樹君が我が研究所の被験者に選ばれたからでーす。」


「樹くん今すぐ大人になってみませんか?」


「…」


「……」


「は?」

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