人形のおくりぬし
「まあ、何て恐ろしい!」
クレアは口元を押さえて凍り付いている。
「つまり、誰かが私を呪おうとした、そういう事ですね?」
「ああ、その通りだ」
セシルが重々しく頷いた。
「でも、一体誰が……」
クレアは困惑したように言った。
だが、この場にいる誰もが、そんなのは分かり切っているだろうとでも言いたげな顔をしていた。ネルソンでさえも、ある女性の顔が浮かんでくる。全員を代表して、クレアの攻略対象の一人、ロビンが口を開いた。
「こんな事は言いたくないんだけどよ」
ロビンは頭をボリボリと掻いた。
「どう考えても、あの人が犯人だろ。つまり……」
「ネルソン、君だったのですか!」
ロビンの横にいたルースが、素っ頓狂な声を上げた。皆が意表を衝かれたような表情になる。
「ルース君? どういう事かね?」
不可解そうにカルヴァンが尋ねた。ルースは、「ここを見てください」と言って、先程のページの該当箇所を指さした。
「『わらで人形を**り、そこに*****のかみを付着させる。**に人形******れば、呪*は**する』。元々は、こう書かれていたのではないでしょうか? 『わらで人形を作り、そこにおくりぬしのかみを付着させる。夜中に人形をあいてにおくれば、呪いは完了する』」
確かにあの人形は、夜の内にクレアの元に届けられていたようだった。それに、人形に金の糸みたいなものがついていた事も、ネルソンは覚えている。どうやら、その糸の正体はネルソンの髪の毛だったとルースは言いたいらしい。
だが、そんな推測を聞かされたところで、ネルソンは困惑するしかなかった。何せ、ネルソンはそんな呪術を行使した覚えなどまるでないのだ。




