表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
58/124

名探偵?

 次の日、ネルソンは犯人捜しのために女子修道院に赴いていた。


 事件のあった納屋は、すでに使い物にならなくなっているので、取り壊される事が決定していた。その前に調べられるところは調べ、スケッチも取っておく。まるで探偵のような気分だ。


 今回の件が人為的なものであるのならば、どう考えても犯罪だ。普通なら警邏隊が来て、あちこち捜査し、全力で犯人逮捕を目指してくれるだろう。


 しかし、この修道院という場所ではそうはいかない。ここは世俗との関わりを絶った神聖な場所と考えられているのだ。そのため、余程の事がない限り、修道院の者に世の中の法や決まりを強いる事は出来ないのである。


 ネルソンとしては、これは『余程の事』に充分該当すると思うのだが、どうもそうは見なされないようであった。だとするならば、自らの手で犯人を見つけ出すしかない。

 

 この捜査はネルソンの独断で行われていた。初めは女子修道院長のヘンリエッテに言って正式な許可を取ろうかと考えたのだが、以前に彼女が見せた頑なな態度を思い出して、交渉をするだけ無駄だと判断したのである。


 その証拠にヘンリエッテは、今回の件を『事故』として大修道院長のモリスに報告してしまったらしい。


 ヘンリエッテに協力を頼めないなら、モリスに上申するという手もあったのだが、彼女は彼女で、何かと忙しそうなのだ。きっとモリスも今回の事件を独自に調査してくれているのだろうと思う事にして、ネルソンは一人で奮闘する事にしたのだった。


 納屋をあらかた調べたものの、特に目を引くものは見当たらなかった。そこで、ネルソンは聞き込みをする事にした。


 相手は、火災が発生したと思われる少し前の時刻に、納屋の付近で木の剪定せんていをしていた二人の修道女だ。犯人の姿を目撃した可能性が高いと思われる者たちである。


「知りませんよ」

 

 しかし、彼女たちの態度はそっけなかった。今日は洗濯でもしていたのか、一人はタライを持っている。


「誰も見ていません。……ねえ、ソニア?」

「え、ええ。ケイの……言う通りです……」

 

 丸い鼻をしたケイというらしい修道女に尋ねられ、もう一人の長身の修道女、ソニアはぎこちなく頷いた。


「他を当たってくださいよ」

 

 ケイは迷惑そうな視線をネルソンに送ってくる。それにも負けずにネルソンは粘った。


「そんなはずはない。よく思い出してくれ」

「知りませんったら」

 ケイは眉をひそめた。ネルソンは食い下がる。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ