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やられた…。
あの白い部屋のクソ女(失礼)め。
あいつの言った通りになった。
アタシはモルガングレムスを召喚しようとした罪で力を弱められ、このカルナディアとかいう世界に飛ばされた。
ここで大人しく「己を律する修行コース」にいそしんでいれば許されるってことか。
許される!?
上から目線がムカつく!!
誰が大人しくするもんか!!
必ずモルガングレムスを呼び出してミーナヘイムに帰り、アドロポリスの神々に復讐してやる!!
「ミュー! お茶を入れてくれる?」
隣の部屋からマーリンの声がした。
あの野郎、アタシを使い魔扱いして、いろんな雑用をさせやがる。
この大蛇使いミュロクロノス様を何だと思ってるんだ!
「ミュー!!」
はい、はい!!
アタシは隣の部屋に走った。
分厚いレンズのメガネをかけたバカマーリンが椅子に座って本を読んでる。
「おしゃれなゴーレムの造り方」だって!?
お前は女子かっ!?
こいつ絶対、たいした魔法使いじゃない!
こんな奴にこき使われ続けるのが贖罪とは………。
バカバカしくて、やってられるか!!
マーリンが本を閉じてメガネを外した。
カ、カ、カッコいい!!
とにかくカッコいい!!
くそっ!!
ドキドキするな、アタシ!!
マーリンが両眼の間を右手の指で挟む。
眼が疲れたみたいだ。
メガネをかけ直す。
はー。
良かった、これで動悸は治まる。
「ミュー、ハーブティーを頼むよ。どのハーブにするかは任せるね」
ケケケ。
毒入りティーを入れてくれるわ!