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「モルガングレムスは暴走すると、とても危険なのです。あなたの居た世界のみならず他の次元にも被害が及びます。それにモルガングレムスさんは、この前やっと落ち着いて平穏な生活に戻られたばかり。そっとしておいてあげてくださいね」
女がウィンクした。
「えー。それで罰の内容ですが…二度と大それた事件を起こさないように『己を律する修行コース』が適用されます」
「ちょっと…あんたさっきから何をいろいろ喋ってんのよ! 全然、意味が分かんないんだけど!?」
「これからあなたの力を弱くして別の次元に送り込みます。そこで大人しく生活してください。そうすることで今回の贖罪とします」
弱くする?
ただでさえアドロポリスの神々に勝てなかったのに弱くなってどうすんのよ!!
もう限界!
この女、ぶち殺す!
アタシは右手を女に向けて攻撃呪文を唱えた。
丸焼きにしてやる!
「あ。この部屋ではあらゆる戦闘行為は意味を成しません、あしからず」
女が言った。
呪文を唱え終わったのに炎が出ない!?
そ、そんなバカな!?
もう一度、唱える。
出ない。
他の呪文!
出ない。
「それではー新しい世界へー、レッツゴー!!」
女が笑顔で片手を上げながら言った。
一瞬で白い部屋は消えて…アタシは違う場所に居た。