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 マーリンが両手を広げて肩をすくめた。


「あきれた」のポーズ。


「どうも君たちカルナディア七傑は思慮が浅いというか…おそらく自信がありすぎるのでしょうね。自分より強い敵と戦ったことがないのかな? 君にもフェンリルと同じ傾向が見られますね」


「な、何を言っておる。私があの乱暴者と同じだなどと、戯れ言を言いおって…」


「いや、頭の悪さでは良い勝負ですよ。鎧を自慢するために攻撃を途中で止めて、こうやってお喋りをしているのですから」


「ぐぬ…」


「さっさと、その剣で僕の首をはねてみてはいかがですか?」


「私を愚弄するか!? お前の望み通りにしてやる!!」


 ランドールが、また突進してきた!


 こ、こわい!!


 マーリンが高速詠唱!


「死ねい!! 魔法使い!!」


 ランドールの剣がマーリンの首をめがけて…めがけて…めがけて…なかなか来ないな…?


 あれ?


 ランドールが途中で止まってる。


 マーリンに剣が届かない距離だ。


 何で?


「ぬおーっ!!」


 ランドールが吼えた。


 鎧がギシギシと音をたててる。


「鎧にもいろいろな物があります」


 マーリンが言った。


「神々さえも唸らせる物、次元をも移動できる物、自らの意思を持つ物、優れた物とは逆に造った者がその存在を消してしまいたいと思う駄作まで多岐に渡ります」


「う、動けぬ!!」


 マーリンの話には一切、答える余裕の無いランドールがわめく。


「その鎧、魔導武器職人のゼトワーレが僕に失敗作だと見せてくれたのを思い出しましたよ。僕はそのときにその鎧の弱点も聞いたのです」


「バ、バカな! ゼトワーレに聞いただと! 嘘をつくな! 彼は300年前の職人だぞ! 会えるわけが…」

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