ドールとのハチャメチャ新生活
小説初めて書きます、投稿の際は何度もチェックしてますが誤字脱字有るかと思われます。
ーーーーねぇ神様、私お友達が欲しいの。何でも気兼ねなく話せる本当のお友達。
私は幼い頃から病弱で友達と呼べる子が一人もいなかった。皆が外で泥遊びをしている中私はいつも部屋で一人、絵を描いていた。
小学生に上がっても身体は一向に良くならない。皆は気遣ってくれて仲間はずれにはならなかったが親友と呼べる友達は出来なかった。中学高校も同様。
大学に行くか就職するかで悩んだ時も相談に乗ってくれたのは担任の先生のみ。私の人生こんなもんかと思ってたけどある事がきっかけでどんどん変わっていく。
そんな私、藤堂愛理の物語。
我が家にドールがやって来た。長年ずっと欲しかったドールをバイト代を貯めて頑張ってお迎えした。それはそれは可愛いドールで私はその子に螺旋と名前を付けた。
『早く新しいお洋服買ってあげるから、待っててね』
ドールの頭を撫でてそう言うと、ドールの口元が僅かに綻んだ気がした。
『ふふ、貴方も嬉しいんだね』
私がそう言うと小さく唸り声が聞こえた。何だろう?そう思っているとドールの腕が勝手に動き出した。
『え?え?』
『趣味の悪ぃ服着せてんじゃねぇよ!このクソアマ!』
なんとドールが動いて喋っているのです。何が起こっているのか分からない私に眉間に皺を寄せてヤンキー座りで脅してきている。
『えーと、夢?』
『あぁ?何バカげた事吐かしてんだ。現実だ現実!』
『え??待って、私喋って動くドールお迎えした訳じゃないんだけど……?』
理解ができません。私が買ったのは普通のドール。何かのオプションを付けた記憶もない。そもそも喋って動くドール等聞いたことがない。
『ぁあ?仕方ねぇだろ、宿っちまったんだからよ』
宿る?何が?
『クソッ、その間抜け面止めろ。ぶん殴りたくなる。だからよぉ、オメェが願ったんだろが……。その……あれだ……。』
螺旋の顔が赤く染まる。
『俺が……その……オメェの友達第一号っつーわけだ』
私の中で何かが弾け飛んだ気がした
『螺旋がお友達……?』
『……おうよ』
夢だろうか?頬を抓ってみた。痛い。
『バカッ、何してやがんだ。女が顔に傷でも出来たら大変だろクソが!』
友達が欲しい、そう願った。螺旋を買う時に、この子が動いてくれたらなぁ、なんて考えた。それが叶ってしまった。私は涙が止まらなかった。
『っっ?!!バッ、泣くやつが居るか!酷え顔が余計酷くなってんぞ?!』
そう言ってティッシュを一枚引き抜いて渡してくれた。うう……優しい。小さな手で一生懸命ティッシュを引き抜く姿も可愛い。言葉遣いは乱暴だけど可愛い。
『っっ!?ふざけんなテメェ!鼻水拭いてからにしろや!』
嬉しくて可愛くて思わず抱き締めて頬擦りすれば離せとばかりに顔を押し返して来る。
『鼻水拭いてからなら良いの?』
私がそう訊ねると螺旋はうっと言葉を詰まらせ顔を背けた。
『今日だけなら許してやんよ』
ぶっきらぼうだがそう答える螺旋に思い切りキスをした。
読んで頂いて有難うございます