バスガンディアの狗
勇者と呼ばれる個人が竜を打ち、聖女と呼ばれる個人が死者をも癒す。強者が弱者を引き倒し、引き倒された弱者が強者を足元から喰らう。そんな弱肉強食の世界を体現したかのような国、バスガンディア帝国。烈花を異名を冠する女帝の戴冠により、帝国は強く強大に成長していく。それは他国をも巻き込み、時代は戦乱へと一歩足を踏み出しつつあった。――そんな中、帝国の辺境のスラム街に打ち捨てられた一匹の"野良犬"がいた。"野良犬"は"餌"を欲して彷徨い続ける。その黒い瞳に烈花という太陽を映しながら。
野良犬
2018/12/29 16:00