出会い、繋ぐ、思い、繋がる
皆さん、はじめまして!りっちると申します!
今回、長編小説の序章として短編を投稿させていただきます!
ぜひ目を通していただければと思います!
また、新人のため、評価やアドバイスの方もお願いします^^
それではお楽しみください。
_______「もし誰かがこの事実を後の時代へと語り継いでくれていたらどうだったのだろうか。もしかしたらこんな悲惨な今なんてなかったのかもしれない。」_______________
そこは、小さな集落。1人の屈強な戦士だろう男が、赤き空を見上げている。周りからは悲鳴がなり響き、男の首に剣を向け不敵に笑う一人のフードの男が立っていた。そして、戦士風の男は涙とともに気の抜けた声で呟いた。
「繋いでくれ・・・俺のぶんまで・・・・」
その一言が最後、真っ白になり、気付けば目の前には天井があった。
「んぅ・・・」
重い体を起こし、時間を確認する。既に時間は太陽が真上に来る頃になっていた。
「うそだろ・・・!」
そう心から悲鳴をあげている中、ノックが2回聞こえてきた。
「お早うございます。フレイ様、起きていらっしゃいますか?」
この家の使用人で、僕が小さい頃から世話をみてもらっているミラさんだった。
「ああ、すいません。今起きたところです。何かありましたか?ミラさん。」
「実は、主がフレイ様を呼んできてほしいとのことでしたので、声をかけに先程向かったのですが、めずらしく眠っていましたので、少し待っておりました。」
それを聞いて背筋がヒヤッとしたが、それ以上に父さんが呼ぶことなんてなかったため、呼ばれたことに対して驚きが抑えられなかった。
「わざわざ、ありがとうございます。すぐ向かいますので、そう父上に伝えてくれませんか?」
「わかりました。それでは失礼します。」
そして、すぐに着替え、父上の部屋へ向かった。
「父上。フレイです。遅くなってしまいすいません。お呼びでしょうか?」
「とりあえず入りなさい。」
俺はオーラが重い扉をあけ、部屋へ入った。その後父上の誘導で、椅子に腰掛けた。
「珍しく、遅くまで寝ていたではないか。夜更かしでもして女の子でも部屋にいれていたのか?」
と、軽いノリで聞いてくるドスケベ親父。
「そ、そんなわけないでしょう!いつも通り寝ましたよ!」
高らかに笑う父。しかしその笑いはすぐに真剣な顔へと変わった。
「実は、呼び出したのにはフレイに頼みがあってな。他に聞かれると不味いので私の部屋まで来てもらった。驚いてしまっていたら謝罪しよう。」
と軽く頭を下げつつもすぐに。
「いまから約120年前、この国ができて間もない頃どうやらこの地で戦争があったそうなのだ。実は先日、歴史学者が私のもとに来て、この地で起きた戦争の資料が消えていたから貸してほしいと来てな。それで私はその事実を初めて知ることになったわけだ。しかし、その戦争の記録だけがきれいに消されている。まるで誰かが抹消したかのように抜けているのだ。」
「それで私はどうすればいいのでしょうか。」
そう聞くと、頷き、
「この戦争があった頃、フライルの東に集落があったらしい。その集落は今は小さな遺跡となっているそうだがどうも危険な地帯にある上、迷いやすく誰も近づかないらしい。フレイにはそこに行って戦争の記録があるか見てきてほしい。」
どうして危険な場所に私が。と思ったがそれを察したかのように続けた。
「危険な地帯とは言ったが、それも記録上の情報にしかならない。以前私が若い頃向かったことがある森だ。フレイなら大丈夫だろう。」
「そこまで言うのであれば。お引き受けします。」
固い空気が一瞬にして溶けた。
「さて、そう決まれば誰か連れていくといいだろう。1人ではもしもの時なにもできんだろう。どうだ、女の1人や2人くらい連れて行ったらどうだ?」
ため息をつく自分・・・高らかに笑う父・・・・
「女の子・・・とは言いませんが、何人かお供が欲しいです。」
少し考えると
「こちらの方で手配しよう。当日合流の形でいいだろうか?」
「べつに問題ありません。それでお願いします。」
「それじゃ、私からは終わりだ。頼んだぞ。」
軽く頭を下げて、私は立ち去った。
自分は、このフライルの領主の長男で、跡取りに近い。それ上、皆から少し避けられていた。そんな中、私となかよくしてくれる人は数人いた。
そんな過去を振り返っているとドアをノックする音が聞こえた。
「どなたですか?」
「ララ・プリムラです。フレイいますか?」
ララは仲良くしてくれた3人のなかの1人。ピンクがかった綺麗な髪で癖っ毛なのが悩みらしい。
「いるよー。入っていいよ。」
そっとドアを開けて覗いてくる。
「めずらしく遅くまで寝てたのね。よる何かしてたの?」
そう睨みつけてくるララ。俺はてを横に振ってごまかした。
「ところで急にどうしたの?」
「あなたのお父様から、フレイの調査に同行してほしいと頼まれたの」
ああやっぱりか。と顔にだしてしまった。
「嫌なの?」
こっちを睨みつけている・・・
「いやいやいやいやいやいやいやいや全然!別に!嬉しいよ↓」
「最後、口調おかしくなってるけど・・・?まあいいわ。よろしくね。」
「出発は明日だっけ?」
「今日の夕方からと聞いていたわ。違うのかしら?」
「実は自分聞き忘れて・・・わからない!」
ため息をつくララ。
「今日の夕方、東門で待ってるわね。」
そう言い残し、ララはその場を後にした。
それから数時間、約束の東門へ向かった。
「こっちよー!フレイ!早く〜!」
大きく手をふって出迎えるララ。
「悪い悪い、遅れた!」
「そんなのきにしないでいきましょう」
スルーされつつ、俺達は親父の地図を持って遺跡へ向かった。」
道中きちんと道が作られていて一本道だった。遺跡についたのは日が沈み、月の光が照らす夜だった。
「やっとついたぁ〜!」
俺はその場で大の字に横になった。
「まったく・・・マイペースでいいわね。羨ましいわ。」
呆れながらそうつぶやくララ。
その後2人で手分けして本や絵など戦争が書かれているものを探した。
30分くらいした頃。ララが大声で呼んできた。
「フレイ!これ!はやく来て!」
少し慌ていて、ララらしくはなかった。
俺はララから比較的新しい筒を開け、手紙を見た。そこには親父の書いた手紙・・・いや遺言があった。
`今これを見ているということは私はもう死んでしまっているだろう。私は領主をできているだろうか。きちんとみんなを引っ張っていっただろうか。それはわからない。いまこれを見ているということは私が心から信用する2人だろう。私はここでとある戦争の記録を見つけた。その目印にここに遺言書を遺すことにした。私の祖父はこの地の英雄として伝われているが、実際は違うとわかってしまった。それが悔しい。知りたくなかったと思う。しかし、忘れ去られるのはつらすぎる。忘れていいことなんてないと思う。2人には私の遺志をついですべてを受け継いでほしいとそう願う。急に書いたもので荒れてしまった文だが許してくれ。そしてこんな馬鹿な私を許してほしい。'
「・・・親父」
隣でララが手を合わせる。しかしララがすぐに。
「ねえ!あれを見て!煙が!」
指さされた方をむくと、無数の黒煙が村の方からあがっていた。
「急いで戻ろう!」
「うん!」
俺達は無我夢中で村へと戻った。そこには夢と同じ。たくさんの悲鳴、赤く染まった夜空、そして親父がいた。親父は俺たちに気づいたが、立ち去れと言わんばかりの目を向けてきた。
「・・・・・・ララ、いくぞ。」
混乱するララの右手をぎゅっとつかみ、全力で走った。辛かった。苦しかった。なにもできない自分が嫌いになった。ララはずっと泣いていた。俺達は遺跡に戻り、遺跡の藁の家で夜を過ごした・・・。
続く。
最後まで読んでくださりありがとうございます。今月中に長編小説の方でもスタートさせていただきますのでよろしくおねがいします。
まだまだ寒いですが気合で乗り越えましょう!年始早々会社の行き方忘れました(忘れたい)
それでは!