今度こそ奴隷市場にやってきました
―◆―
「奴隷市場はここじゃ、勇者」
「ありがとう爺さん…」
「マクスじゃ」
「え?」
「わしの名前じゃ」
「ああ! ありがとうマクス爺さん!」
「それじゃあの」
いい爺さんだった。 結局鮮魚市場から奴隷市場まで爺さんが案内してくれた。
それはさておき、今度こそ奴隷市場にやってきた。
あの奴隷市場だ
主従ハーレムの作れる奴隷市場だ。
「いらっしゃいませ、ご主人様♪」
薄暗い奴隷市場にスマホの電子音がこだまする。奴隷商人たちの目線が俺に集中する。
この視線… 最高だ。
「む? 誰ですか、うるさいで… これは勇者様でしたか」
「一発でわかるのか」
「それはオデコにある勇者の刻印が光ってますからねぇ…」
この刻印光るのかよ。
ク○リンもビックリだなおい。
「それでここに来たということはやはり魔王を倒すための仲間集めに?」
「ああ」
「どのような奴隷をご所望で?」
それはやっぱり
「女性で身長は150cm以下体重は40kg以下スリーサイズは全体的に控えめで見た目は可愛くてケモミミ付属のちょっとSっ気のある淫乱な魔女っ子でお願いします。」
俺は今頭のなかにある欲望を早口でぶちまける。
「え~と、直接見ていきますかね?」
「はい!」
俺は奥の部屋に案内される。そこにはたくさんの鉄格子があり、中には男女年齢も様々な奴隷が300人くらいいて皆が怯えながら俺に目線を向けていた。
この視線は好きになれないな…
「うちにいる奴隷たちは、ここにいるのが全員ですそれではごゆっくりどうぞ」
俺は俺の方に近づいて奴隷たちを吟味していく。
みんなガリガリだなおい。
吟味をしていると一人の男の奴隷が声をかけてきた。
「おい、あんた勇者様だろ?」
「はい」
「魔王退治をするんだよな?」
「はい」
「だったら俺を仲間にしねえか?奴隷落ちする前は有名な剣豪だったんだぜ?」
俺は確認のために奴隷商人の方に目を向ける。
「その男の言ってることは本当ですよ、世の男を買ったら魔王退治に役立つでしょう」
「商人の確認も取れただろ? 俺を仲間にする気はねえか?」
「いいえ」
「なんでだ!?」
「はい」
俺はため息を付きつつこっちの世界の文字を油性ペンでスケッチブックに書いていく。
ちなみにこっちの言語は召喚されるときにいつの間にか頭に入ってた。チートすげえ。
「え?なになに?俺はハーレム?を作るから男性はいらないだって?」
「はい」
「ふざけんな! はーr グハッ!」
「これこら駄目ですよお客様に怒っちゃ、もしそれでお客様に帰ったらどうしてくれるんですか」
「ず、ずびばぜん…」
遠隔で奴隷にダメージを与える装置があるのか… あの首についているやつがそうかな?
まあいいや俺のハーレム要因を選ばないとな…