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第5話 図書室と北山先生

タッタッタッ…。

2階にある図書室に向かうために俺は階段をのぼる。

昼休憩ということもあって至るところに学生がいる。

立ち話をしてたり、どこかへ向かっていたり、飲み物を飲んでたり…。

人によって様々だ。

そんなみんなの中を通り抜けながら、俺は図書室の前まで来た。


ガラガラガラ…。

年月がかなりたったドアは比較的大きな音を響かせながら開いた。

昼休憩中なのに図書室内は人はまばらだ。

数人の生徒がイスに座って静かに本を読んでいる。

その中に北山先生はいた。


「北山先生ちょっといいですか?」


「ん?なんだ早見君じゃないか。急にどうした。わからない数学の問題でもあるのか?」

本を読んでた北山先生は突然話しかけられたことに驚きながらそう答えた。


「いえ、数字のことではありません。この高校の卒業生の桜倉優紀って人覚えてますか?実はその人から手紙を預かってきてるんです」


「桜倉優紀…。あぁ、覚えてるよ。手紙ねぇ。この歳まで教師をやってると珍しいこともあるもんだ」

定年間近の北山先生はパッと目を見開きながらそう言った。


そして、俺は手紙を渡した。


先生はゆっくりと手紙を読み進める。

何が書いてあるのか気にはなったが、俺はあえて聞かなかった。

「ふぅ…。そうだったのか」

手紙を一通り読み終えた先生は静かにそう言った。


キーンコーンカーンコーン!

時を同じくして、昼休憩の終わりをつげるチャイムが校舎内に響き渡る。


「早見君…。桜倉優紀に一言、伝言を頼んでもいいか?」


「えぇ、いいですよ。何でも言ってください。伝えときますよ」

俺は気前よくそう言った。


じゃあ彼女に伝えてくれ。

「誤解しててすまなかった」と…。


「ん?誤解…ですか…?」


「そうだ。よろしくたのむ」


「はぁ…。えぇ、わかりました。伝えときます」


先生が言った「誤解しててすまなかった」というのはどういうことなのだろうか。

俺は大きな疑問を抱えることになった。


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