表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

異世界革職人

異世界で作ったキーホルダーもすごいことになりました

前作『異世界で作ったポーチが大変なことになりました』http://ncode.syosetu.com/n1521cg/を読むとよくわかります。


前回はポーチだったからいけないと思うんですよ。

入れ物だからなんかこう…何かが働いてあんなことになったんだと思います。

あ、それとも使った革が魔物の物だったからかもしれないですね。後から聞いたんですけど。


だから今度はそんなことにはならないだろうと思われるキーホルダーみたいなのを普通の革で作ろうと思います。


大丈夫です。普通の牛革です。

この世界にも普通の動物はいるんです。No 魔物、Yes 普通の動物!

…すいません。テンションが上がって変なこといいました。



今回作ろうとしてるのはひし形で真ん中に模様を型押ししたキーホルダーです。

とりあえず簡単な物でいいんです。

キーホルダーなら変なことにはならないはずですから。きっと。


さて革には表と裏があります。

一般的になめらかな方を表、銀面といいます。

その裏側のけばけばしている方を、床面といいます。

だいたいは銀面の方を表面に使っていますけどデザインによっては床面を出したりするものもありますよ。


銀面に型紙をあてて目打ちで線を引きます。

ずれないように何かで型紙と革を挟むといいです。

型紙には縫い穴を書きこんでおきます。金具の取り付け位置もしっかり書きこんでおきましょうね。

これらも目打ちで印をつけます。跡をつけるだけです。


全部できたら型紙をはずして革を切りましょう。

今回は薄めの革なのでハサミで切ります。厚めだったらカッターがいいです。

断面は真っ直ぐ垂直になるようにしましょう。

革の切り口はコバと呼びます。

何もしないのもいいですけどできれば綺麗な方がいいですよね。

さすがに仕上げ剤などは手に入らなかったのでコバをヤスリで磨いておきます。これだけでも違いますよ。


次は金具の取り付け穴を開けます。

本当ならハトメ抜きで開けたいところですが道具がありません。この世界ではどこで手に入れればいいんでしょう?

仕方ないので目打ちで開けておきます。金具は通すだけにしましょう。


これだけでひし形の簡単なワッペンみたいな感じになりました。

このままキーホルダーになりそうですけどまだまだやりますよ!

まずは模様を型押しします。

よくタグとかで模様が凹んでたりしませんか?そんな感じにします。

ちなみにやり方は簡単ですよ。刻印を押すだけです。

今回は前もって近くの鍛冶屋さんに作ってもらいました。

丸にサの字で佐々木マークです。

サっていうより(くさかんむり)になってますけど。仕方ないです。鍛冶屋はカタカナなんてわからないんです。

なぜ佐々木マークなのか?他に浮かばなかったんです。なにかいいのがあればそうしたんですけど、それはまた今度にしましょう。

さて、切った革を水につけて柔らかくします。こうすると押した跡が残りやすくなります。

取り出した革の銀面に刻印を当てて木槌で軽く叩きます。

これで型押し完成です。

え?簡単すぎだろって?いやいや本当にこれだけですから。


次は縫い穴を開けます。

菱目打ち…はなかったのでフォークで代用です。

小さめのフォークで印をつけた所に穴を開けていきます。均一の間隔で糸が通っているといいですよね。

そのために均一に穴を開けるのです。菱目打ちとはそのための道具で、開けた穴がひし形になるため菱目打ちと呼ばれています。見た目フォークですよ。


それでは糸を通していきます。

糸が滑りやすいようにロウ引きしておきます。

革は糸が滑りにくいので重要な作業です。

糸の両端を針に通して準備は完了です。

片方を通して表と裏の糸の長さを揃えます。片方を指して、もう片方の針を反対側に。

一目縫えたら返し縫いをしてしっかり糸を引っ張ります。この時均等に糸をひっぱるのがコツです。

これを繰り返して一周縫います。

最後にも返し縫いをして接着剤でとめてから糸を切ります。

縫い目がガタガタだと残念な感じになるので丁寧にやることを心がけています。

革製品の縫い目がガタガタだとかっこ悪くないですか?


後は金具をつけるだけなんですけどハトメがないから取れやすいかもしれないですね…

金具をつけてから周りを余った革で作った紐で巻いて接着しておきましょう。

ちょっと不恰好ですけど金具に紐を通してキーホルダーの完成です。


うん、意外と上手く出来たと思います。特に変な事にはなってないようですし。

ていうかキーホルダーですからね!変な事ってどんなことですかね!?

やっぱり前回のは変な革を使ったのがいけなかったんじゃないですかね!


さっそく作ったキーホルダーを見せに行こうと走ったんですけど…

ものすごく足が速くなってる気がします。

今わたしは風になってますね。比喩ではなく。


…素早さ上がった?



えっと………あの………





…………キーホルダーのせいですか?

この後のぞむ(主人公)はヘッドロックをされた。


「お前またかよ!」

「痛たたたたたた!!!!」


キーホルダー : 素早さ+50


ほとんど革の扱いになってしまいました。

ここまで読んでくださりありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ