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「流石はご主人様、飲み込みが早いですね。 では、ゆっくりと上がって行きますよ」


「エリカ、そこは『ながれいし』って言う所ジャマイカ?」


「はいはい。 りゅうせきだね。 ちなみに、ジャマイカの首都は?」


「キングストンに決まっているジャマイカ!」


「ぶっぶー キングストンと書いて『ぎょくいし』と読みます」


「エリカ、面白くないよそれ」


「ひ、人が折角考えたのに!」


「ど、どんまい」


「もういいです! ぷんぷん。 それよりも、ご主人様も私の反対側をちゃんと見て下さい」


「い、いえすまむ。 ふふっ 俺の邪眼が疼くぜ!」


「誰の邪眼ですか誰の。 人前では、『俺』じゃなくて『私』ってちゃんと言って下さいよ」


「了解であります大佐! エリカも『ご主人様』じゃなくて『リリー』って呼んでよ。 流石に『ご主人様』は不味いでしょ?」


「むむむ……」


「なにがry」


「確かに子供にしか見えない二人で『ご主人様』は不味いですね。 分かりました。 では、『お姉さま』とお呼びしますね」


「いや、『リリー』でいいから」


「いや、『お姉さま』で」


「いや、『リリー』で」


「分かりました、妥協します。『お姉ちゃん』でお願いします」


「はぁ、もう、それでいいや」


「ありがとうお姉ちゃん! だ~いすき♡」


「ちょっ エリカ、町は見つかったの?」


「はい。 お姉ちゃんの右手3時の方向、距離ヒトゴーマルマルにて町らしき怪しい建屋群を発見!」


「ヒトゴーマルマルって1500メートル? 草原だよ。 なにもないじゃん」


「いえ、約15キロ前方です。 五桁の言い方が分からなかったのであります!」


「知らないのなら、ちゃんと15キロって言いなよ。 あと、てへぺろ言うなよ?」


「てh…… お姉ちゃんのいけず~」


「いや、科作っても可愛くないから」


「ちっ」


「なんかいま、黒いモノが漏れたぞ?」


「気のせいですよ。 それはそうと、町の手前に見覚えのある木がありますね。 多分、ショーシンシャの木みたいです」


「どれどれ…… おー あのユグドラなんとかモドキは間違えなくショーシンシャの木だな。 ということは」


「町はハージマリですね。 あと、ユグドラシルです。 ユグドラで切ったらピーですよ?」


「片仮名は読み難いし言い難いんだよ。 それにステマにもなるしね。 ゲームやったことないけど」


「確かに片仮名は順番を入れ替えて、自分の都合の良い言い易い風に、読んでしまいそうになりますね」


「でしょ?でしょ? イラ○チオをイマ○チオや、ルサンチマンをルサマンチン、オーソドックスをオードソックスとか」


「ごsお姉ちゃんは、誰と戦っているんですか? イ○マチオ言いたいだけと違うん? 夜想曲の隔離部屋にでも行きたいんですか?」


「いや、一度自分のHDDに記憶しちゃうと、なかなか消去できないのよ。 まるで性質の悪いウイルスみたいだぜ。

 それで、いまここで言わなければ妾の矜恃が保てない気がして…… おざなり、なおざり、おなざり…… これは平仮名か」


「誰が妾ですか誰が。 それと矜恃なんて『きんじ』で打って出ない言葉など、犬にでも喰わせてしまえばいいのです。

 それと『妾』オメーもだ!『わらわ』で『童』しかでねー童帝(35歳IME)は逝ってよし!」


「メタすぎてエリカちゃんが怖いです。 真面目な話、ショーシンシャの木の近くまで飛んで行く?」


「魔法の練習はどうします? ここら辺なら誰も居ませんけど?」


「素で忘れてたわ。 確認の為に少し練習しよっか」


「はいなちょいな」


「軽いなおい」


「まずは、軽く初級からだな! ファイアを煙草に火を付けるイメージでっと」


「」


「ファイア あちっ! う、ウォーター!「濡れ鼠ですね」 う、ウインド! さ、寒っ!」


「おバカなお姉ちゃん♪(ホットウインド38℃)」


「助かった~ エリカありがとうーって逆だからね逆! 本音と建前が」


「どういたしまして。 声に出てましたか? でも、()の中身は無詠唱の練習でイメージしたから、お姉ちゃんの日本語は変ですよ?」


「比喩でsデジャブ感がするからやめとこう……」


「比喩にすらなっていないような…… しかし、ライターのイメージで、その火力は強力ですね。 お姉ちゃんは自分の力を過小評価しすぎです。 煙草のイメージで、顔に近づけて指先を上に向けるからですよ。 何処に魔法を顔付近で発動させる馬鹿がいるんですか?」


「(ここにいるぞ!とはいえない……) ジッポのガスライターのイメージが失敗だったのかも……」


「ジッポのガスライターの火は強いですよ。 ボーって音が聞こえますから」


「エリカって、その歳(5歳)で煙草吸ってるの? お姉ちゃん悲しい ぐすん」


「吸ってるわけないじゃないですか! 2,3時間前まで電子の海に居ましたよ。 お姉ちゃんの知識として、なんとなく知っているだけです」


「耳年増なのね」


「うるせえ、チハぶつけんぞ!」


「AAないよー しかし、ドドンパと同じく指先でも、魔法は発動するんだな」


「ロッドやメイスは、あくまでも魔力を効率良く伝達させる補助具ですからね。 お姉ちゃんや私みたいに魔力が莫大にある人には必要ないのかも?」


「それでは浪漫成分が足らないではないか」


「手のひらから魔法を発動させるのもカッコイイと思いますよ?」


「言われてみれば、確かにカッコイイな。 よし! 手のひらからファイアボールを撃ってみようか」


「大きさは野球のボール程度に抑えて下さいね」


「了解ー ファイアボール」



DOGOOOOOOOOON!!




「……」


「……」


「野球ボール位の大きさで、この威力!?」


「クレーターの大きさ100メートルはありますよ! MPの減り具合はどうなんです?」


「ん? ああ、確認してみるか」



 MP:176650→176548



「102減っているみたいだな。 wiki見ないと正確には分からないけど、ファイアボールの消費MPが100でライターファイアが2って感じかな?」


「もうwikiは見れませんよ。 それにゲーム時代と違って、魔力の調整ができるように成りましたから、消費MPも魔法のイメージで変わりますね」


「いまの野球ボールだと1700発は撃てるってわけだな」


「MPが半分を切ったら自動回復がありますから、野球ボール程度の魔法なら半永久的に撃てますね」


「なんてチートな性能なんだ。 わたしって最強!」


「神様が、そこらへんのフィールドボスなんかに負けたら恥ずかしいですから、チートな性能なんでしょう」


「MOBに負ける神様を想像したら、シュールな光景だった……」


「私はクマが『ねえ、どんな気持ち?』って言っているのが目に浮かびますた」


「それを本当に言われたら発狂する自信あります。 しかし、wikiが見れないのは痛いな。 魔法やスキルの名前なんて簡単なのしか覚えてないよ」


「画面の向こう側でクリックしながら、『エターナルフォースブリザァァーーーーーーーーーード!!』とか、叫んでなかったんですか?」


「厨二病じゃあるまいし、叫ぶわけないでしょ。 それに、ボス戦とか強い相手の時はクリックに必死で余裕なんてなかったよ」


「余裕のある雑魚相手には、言っていたんですねわかります」


「言ってないから!」


「えっと、wikiに書いてあった情報というか、ゲームの内容なら、私が全部記憶してますよ?」


「エリカえらい! そこにしびれる! あこがれる!」


「もっと、心を込めて言って下さい。 まあ、いいですけど」


「エリカの記憶している、魔法とかスキル教えて!」


「はい! では、まず最初に服を脱いで下さい」


「え? なんで?」


「お姉ちゃんと私は一心同体なんですから、文字通り一心同体になる為に決まってるじゃないですか」


「えー つまり……」


「つまり、上の口や下の口の粘膜と粘膜を重ね合わせて」


「それおかしいから!」


「おかしくなんてありませんよ? さあさあ、良いではないか良いではないか」


「ちょ、おまえは悪代官か! 百合は好きだけど、心の準備がー って違う!」


「さらっと、カミングアウトしましたね」


「一心同体って事は…… そうか! エリカが私の過去とかを知っているってのは、記憶の共有!?」


「ピンポーン。 ですから、お姉ちゃんが、私の記憶を欲しければ、粘膜を重ね合わせる必要があるのです!」


「だから、それおかしいから。 共有、共有、一心同体、記憶共有、思念、流入…… むむむ」


「なにがry」



ピコーン



「ねえ、エリカちゃん。 お姉ちゃんと握手しましょうか?」


「ちっ 気付きやがったか」


「エリカ、黒いよ。 いいから、さっさと手を出す!」


「え? 襲ってもいいんですね?」


「そっちか! そっちの『手を出す』じゃなくて、右手を出しなさい!」


「はーい、しょうがにゃいな~」



握手



「おー エリカの記憶が流れてくるのが分かる! なんか、邪なピンク色の邪念も混ざっているけど」


「ああっ 私の魂が、お姉さまに吸われているわ。 か、い、か、ん♡」


「魂、吸ってないし、エリカ機関銃持ってないから。 まあ、ありがとうね♪」



チュ♡



「ふぁ お、お姉さま、もっともっと~♡」


「はいはい、また今度、落ち着いてからね。 それに『お姉ちゃん』でしょ?」


「イエス、マイシスター!」


「うむ、よろしい。 これで、私が保有しているスキル名は覚えたわけだが、ファイアボールで、あの威力なら上級魔法なんて、使い道なくね?」


「そうですね、100キロ四方無人の荒野とかでないと、周りを巻き込んでしまいますね」


「いつかは撃ってみたいな。 しかし、困ったな。 力が強すぎて加減が、イメージが難しそうだわ」


「でしたら、こうしてみてはどうですか?」


「こうしてとは?」


「ステータスという、数値化されたモノがあるのですから、それを利用するのです。」


「ふむ」


「例えば、さっきのファイアボールの消費MPが100でしたよね?」


「うむ」


「それを、魔法発動時に『ファイアボールMP10』と言うか、『MP10』を念じてみてはどうでしょうか?」


「なるほど。 んじゃ、ちょっくら試してみますかっと。 ファイアボールMP10」



DOGOOON!




「クレーターの直径は10メートルくらいですね」


「消費MPが1/10だからといって、クレーターの大きさまで1/10とは安直な……」


「地球の物理法則は、当てはまりませんね」


「まあ、分かりやすくていいんだけども、理系の人間が怒りそうなシチュエーションだな」


「そこは、ファンタジーですから」


「ご都合主義って素晴らしいね!」


「ところで、『ファイアボールMP10』ってダサいですね」


「うむ、自分で言ってて恥ずかしかったわー 今度は念じてみますか。 ファイアボール『MP10』」



DOGOOON!




「ほぼ、同じですね。 若干小さい気もしますけど」


「わ、わかせん?」


「スルーします。 『MP10』を声に出さなかったからですかね?」


「ねえ、これってもしかして、私でも無詠唱でイメージして、念じるだけで魔法発動できるんじゃない?」


「どうでしょうか?」


「では、試しに。 『ファイアボールMP10』」



シーン




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