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少し会話が解りづらいかも知れません。

トコトコ



「他にもチラホラとお客さん増えてきましたね」


「夕方だしね。 すみませーん、エール二杯くださーい」


「はーい、いま持って行きます」


「ヤッホー」


「あ? クララさん仕事上がりです?」


「うん、定時が5時上がりだからねー 窓口が混んでいたら残業するけどね。テーブルご一緒してもいいかな?」


「どうぞどうぞ、みんなでワイワイするのも楽しそうだし、エリカもいいよね? しかし、5時定時ってサラリーマンと同じってわけだ」


「私は構いませんよ、ミラさんもどうぞ」


「お邪魔しますね。 リザードマンの亜種みたいな名前ですね、サラリーマン」


「戦士って意味ではリザードマンと同じですけれども、サラリーマンの大多数は耐え忍ぶ種族ですね」


「エリカそれ以上は言わないで、トラウマががが」


「耐え忍ぶ種族って哀愁を誘いますね。 狐人族がそうなんですか?」



リリーのトラウマを無意識に抉るクララ。 そしてミラは首を傾げて



「聞いたことがないですね」


「狐人族というより、リリーがっと、そっとして置いて下さい」


「リリーさん大丈夫ですか?」


「目が死んでますね」



クララが気遣い、ミラは理由が分からなくとも、同情の眼差しをリリーに向けたのであった。



「エールお待たせしましたー」


「リーゼも、お疲れさま」


「リーゼさんと仰ったのですね」


「そういえば、名乗ってなかったですね、先ほどはごちそうさまでした、リーゼロッテといいます。 リーゼと呼んで下さいね」


「私は、エリカと申します、その子はリリーです」


「リリーだよ、よろしくリーゼ」


「はい、エリカさん、リリーさん、こちらこそよろしくです」


「今日は、まだリーゼは上がりじゃないの?」


「いえ、これでもう上がりですので、私も一杯飲もうかしら? エリカさん、さっきのお願いできますか?」


「さっきの?」



そう、クララが疑問を投げかけた。



「私は構いませんけど、普通のエールが飲めなくなるかもしれませんよ?」


「目先の欲望には敵いませんし、おあずけを食らった犬みたいに耐え忍ぶなんてそんな殺生なってことで、お願いします」


「あんた半分犬だし」


「それを言ったらクララさんは全部猫になるでしょーが」


「クララが墓穴を掘った」


「ペーターはどこですか?」



リーゼが切り返し、ミラが突っ込み、エリカがボケる。



「エリカさん、さっきも言ってましたね、それ」


「スルーしてもいいのよ?」


「まあ、あれを一口でも飲んだら、そうなるわなー リーゼは禁断の果実を齧ってしまった! でろでろでろでーろん」


「冒険の書ですか、というりよも、もしかしてリーゼさんのお父さんとお母さんって」


「はい、そこのカウンターにいるのが母で、町の守衛をしているのが父です」



そこにリリーが茶化すように一言、



「冒険者ギルドは特殊法人、縁故採用まんせー」


「まあ、母のおかげで、ここで働いているのは否定しませんけどねー 私もエールもらってきますね」


「リーゼ、私たちのおかわりも持ってきといて。 私は、請われてギルドに来ましたけどね」


「わかりましたー」


「私は、ちゃんと試験を受けて採用されましたよ?」



そう言ってクララが控えめに胸を張った。



「私だって試験はあったわよ、私なんて証明魔法が使えなければ、ただの人なんだし」


「ミラさんは特殊な技能を持っているのですから、もっと自信を持ってもいいのではないですか?」


「エリカさんありがとう。 この才能のおかげで、そこそこいい暮らしは出来るけど、ギルドの保護がなければ、いまごろ人攫いにあって、奴隷にされてたかもしれないと思うとね……」


「やっぱ、奴隷っているんだ。 でも、人攫いは犯罪だよね?」


「当然、犯罪ですよ」



リリーの問いに顔を顰めながら答えるミラであった。



「リリーさんの家では奴隷は使ってなかったんですか?」


「う、うん多分」


『ゲーム内では、奴隷なんていなかったよね?』


『いませんでしたけど、設定としてはありましたよ』


『そうなんだ』


「奴隷の見分け方は簡単ですよ? 赤い首輪が犯罪奴隷で、青の首輪が借金奴隷ですから」


「それなら、奴隷は使ってなかったな」


「私の家もリリーの家も、普通の使用人は雇っていましたけどね」


「それはそうですよね」


「奴隷の首輪って、契約の魔法とか掛かっているんだよね?」


「ただいまー エリカさん、お願いしますね」


「はい、まかされました。 お二人もエールをビールにしますか?」


「うん、どんな飲み物になるか楽しみです」


「掛かっていますね。 わたしもお願いします」


「では、アイス5℃ 分離、H2CO3 はい、どうぞ」



く「冷たい!?」


み「冷たいですね」



ジョッキの冷たさに目を丸くするクララとミラだった。



「飲んだらもう、後には戻れないよー?」


「そう言われると、益々飲みたくなりますね」


「そうですね、では、頂きます」



ゴクッ…… ゴクゴクッ ゴキュゴキュゴキュッ




「「「「ぷぱーっ!」」」」


「「「「美味いっ!」」」もう一杯!」


「リリーだけずれましたし、まだ残ってますし」


「そこは、ノリというかさ? わかってよ」


「なななんですかこれは!?」


「ええ、これは危険ですね、いろいろな意味で」


「はぅ~ 幸せです~」



ビールののど越しにクララは驚き、ミラは神妙になり、リーゼは呆けたのであった。



「ふふふ、これぞビールである」


「美味しいですよね」


「美味しいのを通りこしてますよ? これを周囲の人間に知られたら非常に拙いですよ」


「クララ、なにが拙いのかしら?」


「げ!?」


「げ、お母さん!」


「ロッテさんも上がりですか?」


「ロッテさん、さっきぶりです」


「あたしゃまだ仕事中だけどね、楽しそうだからサボりにきたのさ、用事があれば呼ぶでしょうしね。 で、リーゼは美味しそうなの飲んでるねぇ」


「お母さんもエールもらっておいでよ、そしたらエリカさんが作ってくれますよね?」


「ええ、私は大丈夫ですよ」


「では、お願いしようかね。 ちょいともらって来るかねぇ」




「ロッテさんって結構いいかげんなんだね」


「支部長もロッテさんには頭が上がらないし、支部の実質的なボスですからね」



呆れ気味にリリーが言うのに対して、クララがギルドの内情をこぼしたのであった。



「なるほど、裏ボスの称号は伊達ではないと」


「裏ボスって、ふふ、お母さんは確かにそうかも」


「裏ボス…… 言えてる」


「影の支配者ですねわかります」



ステータスが見えるエリカが裏ボスに納得したのに、リーゼとミラが同調して答え、リリーは茶化すのである。



「全部聞こえてるよ。 あたしゃ、ただの宿屋の雇われ女将のつもりなんだけどねぇって、エリカさんお願いしますね」


「はい、任されました。 アイス5℃ 分離、H2CO3 はい、どうぞ」


「これがビールね、どれどれ」



そう言って興味津々にビールに口を付けるロッテだった。




対話形式の限界が見えた気がする、こまめに補足を入れないとダメみたいですね。

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