13
トコトコ
「一応、洋式便座なのね」
「地球では、いつの時代からあったのですかね? というか、ピュア これで綺麗ですよ?」
「えっと、なんでエリカも一緒に入っているのかな?」
「なんでと申しましても、扉を開けたらトイレだったからですけど? 日本の身障者用トイレと同等の広さもありますし、リリーが一人でちゃんと出来るか心配ですし、リリーがちゃんと巫女服を脱いで、ちゃんと着れるかも心配ですし、紙なんて高級なモノを拭き取りに使いませんし、etc……」
「あーもう、分かったから、恥ずかしいから、しているトコは見ないでよね!」
「それはもちろんです(気配で丸見えですけどね、ぐふふ)」
「スースーしないと思ってたけど、ズボンみたいに足は分かれてたのね」
「いまごろ気がついたのですか?」
「うむ、というか、あっち向け」
「はいはい」
「ない……」
「そりゃ女の子になったのですから、ないのは当たり前でしょ?」
「いや、チンチンがないのは、袴の上からパンパンした時に確認したから、見なくてもないのは覚悟してたし分かっていたけど、そうじゃなくて、無いのだ!」
「だから、なにが無いのです?」
「けが……」
「ケガでもしましたか?」
「け! おけけがないの! パイパン! わかった? 理解した? これで満足か変態天使め!」
「ああ、なるほど、私もありませんよ?」
「なん……だと……!?」
「だって、私の元の姿は子供ですよ? 逆に陰毛が生えていたら怖いですよ」
「いんもーいうな」
「んもういけずなんやから」
「に、忍耐だ、こ、堪えろ私」
「堪えないで出して下さい。 我慢は身体に毒ですよ?」
「そっちの堪えるじゃないわい! って、あっ」
水流音姫の音色をお楽しみ下さい。
「男の尊厳がバキバキとへし折られた気分だよママン」
「TSして良かったって言ってたではありませんか」
「それはそうだけれど、それはそれ、これはまた別なの!」
「そのうち慣れますから、それよりも、これでアソコを拭いて下さい」
「布で拭くの?」
「はい、日本で使っていたトイレットペーパーなんて高級なモノは、ありませんよ?」
「ウ、ウオッシュレットは?」
「ウォシュレットですか? 便座に付いてないのが見えませんか? 万が一付いていて使用できたとしたら、それはそれでビビると思いますけど?」
「ほぼ、毎日使ってたのにビビる訳ないでしょ?」
「快便だったのですねって、違いますよ。 ビデの水圧でアソコを刺激するのですよ? まあ、私も使った事はありませんから、知識だけですけど」
「あ……」
「わかりましたね? はい、これどうぞ」
「うぅ…… ね、ねぇ、ウォーターやってからウインドやるのはダメかな? それかピュア」
「いまのリリーがやったら、ここが水浸しになって、風で部屋を壊すと思いますけど?」
「ひ、広い所で、練習します」
「そのやり方も気持ち良さそうですけど、その布は天使の羽衣の切れ端ですから、ピュア効果が付いてますよ?」
「そうなんだ、なんて贅沢な使用方なんだ。 これで拭くよ…… しかし、ナプキンの名前みたいだな」
「こっちが本家本元ですよ」
「ふぅ、ピュアって本当にスッキリした感じになるんだね」
「そうですね、最上級の布でもありますし。 では、袴の帯を締めますよ?」
「いちいち帯を解いて下げるのが面倒だけど、着物の帯じゃなくて良かったよ」
「お殿様あれ~なヤツですか、あれはトイレの時は解きませんけどね」
「そう言われてみれば、そうだな。 ふむ、この袴をスカートタイプに改造すれば面倒がなくなるのか」
「その変わりにスースーしますよ? はい、できました」
「ん、ありがとう。 むむ、あっちを立てれば、こっちが立たずとは難儀なもんだな」
「人間万事塞翁が馬とは行きませんよ」
「格好良く決めたつもりだろうけど、多分、使い方は間違ってるから」
「そうですか? この言い回しで使っている人もいると思いますけど? 言葉とは時代と共に変化するものなのです。 では、私も失礼して」
水流音姫の音色をお楽しみ下さい。
「リリーこそ、ガン見しているではありませんか? エロガッパめ」
「し、してないし、チラチラしか」
「ふぅ、スッキリしましたし、チラチラは否定しないし、戻りましょうか」
「て、手を洗ってないよ!」
「この布で拭けば大丈夫ですよ」
「それ、おしっこの残りが付いてるじゃん……」
「ふふ、冗談ですよ、ちゃんとハンカチもありますよ。 でも、ピュア効果で清潔なんですよこれ?」
「いや、冗談じゃなく本気だったような」
「なにか言いましたか?」
「いえ、なにもって、またピュア効果付の布なの? 流石に手は水で洗いたいぞ?」
「贅沢ですね、男だった時なんて「ストップストップ」手なんか」
「私が悪かったですエリカさま、でも、気分的にね……?」
「しょうがないですね、排水口の所に手を出して下さい」
「これでいい?」
「はい、ウォーター 私も洗いますか」
こうして、女二人の連れションは無事に終わったのであった。
今話は短めでした。前話と併せても良かったかのも?
区切りが難しいです……