1-3話
久しぶりにファミレスに行きました。
ハンバーグ定食を完食できませんでした。
いやーアレだね、女装した僕って以外にカワイイよね。何も知らない人が見たら、まず男だなんて絶対思わないよ。メイクもバッチリ決まってるし。……あれ?メイク?
写真に写った僕はメイクをして、更にカツラもつけて完璧に女装している。だけど僕はメイクの方法は知らないし、こんなピンク色のカツラだって持っていない。
僕の知り合いに、メイクが出来て、ピンク色のカツラも持ってて、女子校の制服も持っている人物で…………。
「夏樹姉エエエエェェェェサアアアアァァァァ!!!!」
「どうした春樹!? 学校内で実の姉の名前を叫ぶだなんて……シスコンにも限度があるぞ!?」
「違う! アイツが全ての元凶なんだよ!!」
そういえばあの時、姉さんが車で送り迎えしてくれてたらしいけど、だからか!……っていやいや、落ちつけ自分。そんな簡単に受けいれるのはまだ早い。とりあえず状況確認をしよう。
ふむふむ、この写真とさっきの話が正しければ、僕は終業式に女装をして登校したらしい。
「これは合成写真?」
「ううん、本物だよ」
ですよね。
「写真部の岩瀬から一〇〇円で買った【ハルちゃん#〇九番】だ」
あと最低でも八枚はあるらしい。ってそんなことより
「え!? 写真って誰でも買えるの?」
「いつもは新聞部に写真を提供するだけだったが、今回は欲しいという要望が多かったらしいからな――」
やはり双侍が買えたってことは誰でも買えるらしい。それはさておき、女装しているとはいえ僕の写真を買いたいだなんて……まさか新たな恋の予感?
「――男子からの」
「この学校には変態しかいないのか!?」
新たな禁じられた恋の予感!!
「知らなかったのか?」
「そんなの常識だよ?」
さも当たり前のように言う二人。
この学校にはほとんど変態しかいない?ということは……マサカ!?
「誰か助けてェエエ! この二人、変態ですゥウウ!」
ここにいる二人とも変態ということだ。
「「どうしてそうなる(の)!?」」
心底わけがわからないという顔をしている双侍と友真。
「だって変態しかいないんでしょ? それじゃあ二人は絶対に変態じゃないか」
「ほとんどだ! ほとんど!」
「それなら春樹だって変態になるよ?」
というわけで状況確認した結果、女装×終業式×僕×変態集団=さよなら僕の青春。
「さよなら母さんに姉さん! 今からそっちに行くよ天国の父さん!」
「落ちつけ春樹! とりあえずカバンから取りだしたカッターをしまえ! ていうかお前の父親はまだ生きてるだろう!?」
「はなせ! 僕の貞操を男に奪われるくらいなら自分で命を断ってやる!」
このまま生きていても良い事なんて一生おきない!おこることがあるとすれば男子との禁断イベントのみだ!
「友真! こいつを落ちつかせるのを手伝ってくれ!」
「オーケー」
モヤシっ子の友真が加勢したところで死ぬ気の僕を止めることは――
「サンダー(カチッ)」
「ちょッそれってスタンガ」
「おいまて! この状態だと俺にも」
「「ギャバババババババ!!!???」」
――全身にいまだかつて味わったことのない痛みが!?てゆーかまさかの双侍ごと!?
「アハハハハハ」
動かない僕と双侍を見て満足そうに笑う友真。 まさかスタンガンを持ってきているとは……。
字が間違ってたり、わかりづらい表現があれば教えていただけると嬉しいです。