第85話 勇者……就活する
「勇者インダストリー代表・勇者、求職中!」
勇者は意気揚々と街の“魔導転職所”へと乗り込んだ。
「いらっしゃいませ! 本日はどんなお仕事をお探しで?」
「安定してて、怒られなくて、寝てても給料が出る仕事です!」
「ありません」
「なんでだよ?!」
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案内された求人票の束を手に取り、勇者は真剣に読む。
『魔界防衛軍・夜勤枠(危険手当あり)』
『魔導会計士・要資格』
『聖教会職員(※勇者お断り)』
「お断りされた!? 勇者が!?」
「当然だ」魔王の声が背後からした。
「貴様、就活するたびに国際問題を増やす気か?」
「でも、働かないと借金返せないし……」
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勇者はとりあえず、魔王に相談した。
「なぁ魔王。俺ってどんな仕事向いてると思う?」
「うむ……口だけは達者だから営業だな」
「おぉ、営業か!」
「ただし説明聞く前に話し始めるからクレーム係かもな」
「わざわざ評価下げんなぁぁぁ!!!」
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転職所の面接ブースに通された勇者。
面接官は――まさかのリッチ(元上司)だった。
「ほう……元勇者がうちに就職とは、世も末だな」
「元上司!? なんでここに!?」
「お前を監視するためだ」
「転職サイトってそういう使い方するものなの!?」
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面接開始。
「志望動機を述べよ」
「生活が苦しいです!」
「正直すぎるな?!!」
「長所は?」
「どんなピンチでも笑顔でごまかせます!」
「短所は?」
「ほぼ全部です!」
「お帰りください」
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面接室を追い出された勇者は、壁にもたれてため息をついた。
「……俺、何のために働こうとしてるんだろ」
魔王が隣に立つ。
「金のため、でもある。だが本質は違う」
「え?」
「働くとは、“誰かに必要とされること”だ。
それが生きる意味になる」
勇者は少し黙って、笑った。
「……俺、また魔王城で働くわ」
「帰ってくんな」
「そんな?!雇ってください!」
「給料ゼロだぞ」
「それいつもの居候に戻るだけじゃん!!」
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勇者、転職失敗。
昨日はアップロード出来ず申し訳ございません。
単純にネタが切れてきた結果、間に合いませんでした。




