第74話 勇者よ……新人を雇うのだ
「――面接を始めます!」
魔王城の会議室。
机の前でスーツ(?)姿の勇者が気合を入れる。
魔王は後ろで腕を組み、静かに見守っていた。
「では最初の方、どうぞ!」
入ってきたのは、ぷるぷると震える青いスライム。
「しょ、職務内容をお伺いしても……?」
「清掃業だ!」
「……私、吸収体質でして、掃除したら全部自分の中に……」
「なるほど。掃除後に消滅コースだな」魔王が即答。
「採用!」勇者が元気よく親指を立てた。
「やめろ!」
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二人目の応募者は、小さな羽根をもつ妖精だった。
「前職は“プロジェクト進行妖精”です」
「おお! デキるタイプ来た!」
「ただ、口が悪いです」
「……?」
勇者が笑顔で聞く。
「君の長所は?」
「バカでも仕事回せるとこです」
「短所は?」
「バカが多い職場だと頭がおかしくなります」
「お前、この会社の未来を見たな」
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三人目は筋骨隆々のミノタウロス。
「我、力に自信あり」
「掃除に力はいらねぇんだよ!」
「だが持久力もある」
「使うのは腕じゃなくて雑巾!」
「雑巾、握り潰す」
「却下ぁぁぁ!!!」
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最終面接。
「――で、君の希望年収は?」
「魂三つと休日二日」
「誰の魂!?」
「できればそちらの聖剣の」
「物騒な新人だなぁぁぁぁ!!!」
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面接終了後。
勇者は机に突っ伏した。
「はぁ……まともな人材、どこいったんだ……」
「ここの(異世界の)労働市場を舐めるな」魔王が言う。
「採用コストも教育コストも、命がけなんだ」
「じゃあ結局、誰雇えばいいのさ!」
「――お前自身だ」
「え?」
「まず自分が働け。話はそれからだ」
勇者は小さく笑って立ち上がった。
「……はい、社長」
「誰が社長だ」
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勇者、面接惨ッッ敗!




