第50話 勇者よ……二日酔いを克服せよ
祭りで浮かれて飲み食いしまくった勇者。
翌朝、待っていたのは――頭痛と吐き気のコンボだった。(笑)
魔王城の寝室。
布団の中で勇者がうめき声を上げていた。
「うぅ……頭割れる……胃が逆流してるぅぅ……」
魔王が部屋に入ってきて、冷ややかに一瞥する。
「勇者よ、何をした」
「だって! 祭りで! お神酒とか、屋台の飲み物とか、全部うまそうだったんだもん!」
「……まさかアレを全部混ぜて飲んだのか?」
「……はい」
「…注意書きにデカデカと【魔族以外が混ぜて飲んだら倒れます】って書いてあっただろう?」
「……」
聖剣が壁際からため息をつく。
「勇者よ、剣の稽古より先に肝臓を鍛えるべきではないか」
「そんな稽古あるかぁぁ!」勇者は枕に顔を押しつけて叫ぶ。
魔王は冷静に水差しを置いた。
「水を飲め。そして横になっていろ」
「や、優しい……」
「ただし。仕事は山積みだ。私の代わりに買い出しに行く約束もあったな」
「え、えぇ!? 二日酔いで無理だってぇぇ!」
そのとき玄関から声が響く。
「魔王様ぁぁぁ! 勇者殿に今日も働いていただきたいと……!」魚屋の声だ。
「無理だぁぁぁ! 今日は立てねぇぇぇ!」勇者が布団の中から絶叫する。
魔王は深いため息をついた。
「……勇者よ。二日酔いを克服するより、まず己の加減を知れ。自制を学べ」
聖剣は冷静に結論を下す。
(……コイツ馬鹿だから、また懲りずに飲むんだろうな)
勇者、二日酔いに敗ォォ北!
戦場では立ち上がれるのに、酒には完敗だったようだ。
次回――「勇者よ……健康診断を受けるんだ」。
居候勇者、まさかの健康チェック!?




