表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『勇者よ、常識を見ろ』シリーズ  作者: 深森あい


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

30/106

第30話:勇者よ……料理で失敗するなよ

掃除に続き、次なる家賃労働は料理。

勇者の包丁さばきと味付け――結果は想像通りだった。


まぁ…あの勇者やし

 魔王城の厨房。

 勇者はエプロンを着けて腕を組んだ。


「よし! 今日は俺が夕飯を作ってやる!」

「不安しかない」魔王は椅子に腰掛け、本を閉じた。

「包丁は扱えるのか?」

「斬るのは得意だ! モンスター斬ってきたし!」

「料理は解体ではない」


 勇者は勢いよく人参をまな板に置き、剣道のような掛け声を上げる。

「はぁっ!」

――ザクッ。

 見事に人参は真っ二つ。まな板も割れた。


「……な?」勇者がどや顔。

「な、ではない。まな板を破壊するな」


 聖剣が壁から冷たい声を投げる。

「勇者よ、そなたは切るよりも壊す方が得意なのでは?」

「うるせぇ!」


 次は鍋。勇者は塩をつかみ――どさっ。

「え?」魔王の目が細くなる。

「勇者。今どれほど入れた?」

「えーっと……一袋?」

「それは“味付け”ではなく“埋葬”だ」


 鍋はしゅわしゅわと音を立て、蒸気を上げる。

 勇者が慌てて蓋を閉じたその時、厨房のスピーカーがピッと光った。


 ――流れ出す運動会BGM。

 しかも今回は、テンポが徐々に加速していく。


「な、なんだよこれ!? 曲の速さにつられて鍋の泡も早くなってるんだけど!」

「……これは料理用モードかもしれんな」魔王が淡々と呟く。

「そんなモードいらねぇぇぇ!!」


 勇者は半泣きで鍋を抱えた。

 蓋がガタガタ揺れ、まるで爆弾のようだ。

「やばいやばいやばい! どうすればいい魔王!」

「……逃げるか」

「無責任すぎるぅぅ!!」


 結局、料理は盛大な爆発とともに廃棄。

 勇者は煤だらけで床に突っ伏した。


「なぁ魔王……俺、飯作る才能ゼロかも……」

「今さら気づいたのか」

勇者、料理で大惨事。

掃除に続き、労働スキルはまるで成長せず。

次回――「勇者よ……洗濯で色を分けろよ」。

居候不慣れな勇者の生活(試練)は、まだまだ続く。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ