第23話:勇者よ……鎖に繋がれるなよ
国に裏切り者と見なされ、捕らえられた勇者。
牢獄に繋がれた彼を待っていたのは、仲間ではなく冷たい視線だった。
投稿遅れてすいません!!
鉄格子の奥、勇者は鎖につながれて座り込んでいた。
両手首に食い込む冷たい鉄。牢屋の石壁からは湿気が漂い、夜気が骨まで染みる。
「……くそっ、なんで俺が裏切り者扱いなんだよ」
勇者は鎖を揺らしながらうめいた。
聖剣が壁際に立てかけられ、低い声を出す。
「勇者、我らが魔王城に長く滞在し過ぎたのだ。討伐に来たはずが、暮らしてしまった」
「暮らすって……だって居心地よかったし、飯もうまかったし……」
「居心地の問題ではない」
牢の外から兵士の声が響く。
「裏切り者め。国王陛下の前で裁かれるのを待つがいい」
「違うんだって! 魔王とはただの……同居人で!」
「余計に怪しいわ!」
勇者は頭を抱えた。
(……こんなことで、俺の立場って終わるのか?)
その時――
牢獄の天井の魔晶石がふっと光り、例の運動会BGMが流れ出した。
低い牢内で反響し、異様に不気味な音へと変わる。
「ひっ!? な、なんだこの音は……魔王の呪術か!」
「やはり勇者は魔王の手先だ!」
兵士たちはざわめき、牢の前に殺気立って集まる。
勇者は必死に叫んだ。
「ちがぁぁう! これはただのスピーカーのバグなんだぁぁ!!」
けれどその必死の弁明は、冷たい石壁に吸い込まれていった。
勇者、牢獄にて完全に孤立。
運動会BGMは、国にとって“魔王の呪い”の証拠となってしまう。
次回は――「勇者よ……裁きの場で言い訳するなよ」。
ついに国王の前に引き出される勇者、どうなる!?




