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『勇者よ、常識を見ろ』シリーズ  作者: 深森あい


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第21話:勇者よ……冷蔵庫勝手に漁るなよ

居候勇者、ついに魔王城の冷蔵庫へ。

だがプリンを狙ったその瞬間、“外の目”が忍び寄る。

 昼下がりの魔王城。

 勇者はそろりとキッチンへ忍び込み、冷蔵庫の扉を開けた。


「お、プリン残ってるじゃん! 昨日のやつだな……」

 にやりと笑い、手を伸ばす。


「勇者」

 背後から魔王の声。振り返ると、腕を組んだ魔王が立っていた。


「冷蔵庫を勝手に漁るな」

「ちょっと見ただけだって」

「見ただけではない。プリンをつかんでいた」


「……バレたか」


 魔王は冷蔵庫を指しながら告げる。

「ルールを教える。

 一、勝手に漁るな。

 二、食べていいのは“居候用棚”だけ。

 三、プリンは我輩専用だ」


「三つ目が強すぎんだよ!」


 勇者が抗議していると――玄関のチャイムが鳴った。

 やって来たのは隣人の老竜だった。


「よぉ、シチューの匂いがしたから差し入れに来たぞ。……ん?」

 老竜の目が勇者とプリンへと向く。

「お前、ほんとに魔王と一緒に暮らしてんだな。街じゃ噂になってるぞ。“勇者は魔王の仲間になった”って」


「ちょ、ちょっと待て! 俺は居候してるだけだって!」

「居候が一番タチ悪いんだよなぁ……」

 老竜は冗談めかして笑い、皿を置いて帰っていった。


 勇者は頭をかきながらぼやく。

「なんか最近、街でやたら見られてる気がすんだよな」


「当然だ」魔王が静かに言った。

「討伐に来た勇者が、魔王城でプリンを狙っている。どう見ても裏切り者だ」


「いや、それは誤解だって!」

 勇者は声を張るが、聖剣までため息をついた。

「勇者よ……いよいよまずいかもしれんぞ」


 その時、冷蔵庫の奥からまたもや運動会BGMが鳴り出した。

 涼しい冷気と共に流れる軽快な曲。

 勇者は真っ青になりながら叫んだ。


「よりによって今かよ! 誰かに聞かれたら完全にアウトじゃねーかぁぁ!!」

プリンをめぐる冷蔵庫騒動。

だが勇者と魔王の同居は、すでに外の世界で“疑惑”として広まっていた。

次回――「勇者よ……国に帰れば裏切り者だぞ」。

コメディの日常が、一転して現実に突きつけられる。



この作品ってシリアス展開あるんだって自分で書いててビックリしました。

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