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『勇者よ、常識を見ろ』シリーズ  作者: 深森あい


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第15話:勇者よ……洗濯物は色分けしろよ

家賃代わりの雑務、次の任務は「洗濯」。

だが勇者はルールを守らず、魔王城にカラフルな惨劇を招いてしまう――。

 勇者はカゴいっぱいの洗濯物を前に立ち尽くしていた。

 ローブ、マント、シャツ、タオル、そして魔王の黒い衣。


「よーし、一気にいくぞ!」

「待て」

 背後で魔王が低い声を落とす。

「洗濯物は色で分けろ。白は白、黒は黒。赤や青は別にしろ」


「えー、まとめて洗った方が早いじゃん」

「早さより結果だ」


 勇者は不満げに肩をすくめ、全部まとめて魔法洗濯機に放り込んだ。

 ――ガタン、ゴウン。


 数分後。

 フタを開けると……真っ赤なタオル、紫色になった白シャツ、ピンクのローブ。


「……なんか全部オシャレになったな」

「染まったんだ!」

 魔王が額を押さえた。

「白のローブは結界用。色が変われば効力が下がる」


「でもこれはこれでカッコよくね?」

 勇者がローブを羽織る。銀糸の模様がピンクに輝く。

「“ラブリー結界”って感じだろ?」


「……殴るぞ」


 そのとき、壁に立てかけていた聖剣が声をあげた。

「な、なにをする!? 私までピンクに!? ……あっ……だが……これはこれで……新鮮で……あっ、気持ち良い」


「剣! お前まで染まるな!」勇者が慌てて突っ込む。

「勇者。次からは絶対に分けろ。ルールは三つだ」

 魔王が指を立てる。

「一、白と色物を混ぜない。

 二、ローブはネットに入れろ。

 三、洗剤を量る。適当に入れるな。」


「……めんどくさい」

「生活は討伐より厳しい」


 勇者は肩を落としながら、ピンクのローブをハンガーにかけた。

 魔王は深いため息をつく。

「まあ……色が変わっても、効力がゼロではない。だが見た目が問題だ」

「いいじゃん。オシャレ魔王軍で流行らせよ」

「流行らせるな!」


 そのとき――スピーカーがまた鳴った。

 運動会のBGMが元気よく流れる。


「なぁ魔王……次のルール、“洗濯中は音楽禁止”にしない?」

「……賛成だ」

勇者、洗濯でやらかす。

生活の基本“色分け”を軽んじると、全てがピンクになる。

次回は――「勇者よ……夜食を勝手に作るなよ」。

同居生活、まだまだ波乱。

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