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消えるラブコメ  作者: 菅田原道則
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誰が為の物語か

 骨茱灯命の物語はまだ続いていくだろう。アルカード・ウラド・ラキュラのおかげで熱帯低気圧が台風になり、蝶番井稟慈は天災をコントロールすべく奔走するであろう。次第にそれは拡大してゆき、骨茱灯命自身も気付かず内に陰陽師界隈、ひいては非科学的な世界事態を巻き込んでいくのは、私からすれば自明の理だ。


 さて。さてさて。

 彼女はラブコメディのレールに乗り巡行しだしたと言える。


 彼女は嘘偽りだとのたまいていたが、蜂起星綺羅美の言葉を借りるなら、本人が言葉にするのと、他人が言葉にするのは祝詞と呪いくらいに違う。

 あぁ神呪神音も言っていたな。嘘だとしても、本当に嫌っている人間に好きなんて言えないと。


 芯をついている気がするが、本人が否定するならばそうではないのだろうな。私も彼ら彼女らもエスパーでもない、ましてや骨茱灯命自身も気がつけない可能性だってあるのだから。


 何にせよ、骨茱灯命は自分の恋愛についてはへそ曲がりなのだ。


 こんなことを言ってしまえば、彼女は顔を赤らめて怒り出すだろうが、それもまた可愛らしい部分ではなかろうか。いやはやアルカード・ウラド・ラキュラよりもベタ惚れなのは、私なのかもしれないな。


 なに? ストーリーテラーの癖に助太刀するな?

 言っただろう。どうしようもない時には親友として手助けもするさ。

 それにしても君たちは本当に目敏いな。私が誰であって、どういった理由で骨茱灯命を語っていたって、君達自身には意味はないだろう。それとも君達がこの物語の感想文、または論文を提出してくれると言うのならば、それは私が語る物語の本懐でもあるがね。そうではないのだろう?


 いや答えなくてもいい。

 聞いて、読んで、記憶してくれてさえいればいいのだから。


 人間が営んでいくならば、骨茱灯命自身もその中にいるのだから。

 私は彼女がその営みの中に居続けられるために、潤滑に浸透させるだけだ。


 だからこれから世界が終わりを迎えるレベルの厄災が起こりうるとしても、私は骨茱灯命がラブコメに準じれる世界を作っていくと約束するよ。


 あぁ電話だ。


 噂をすればとやらだね。


「はい。もしもし。・・・やぁ久しぶりだね照命君。元気だよ。うん。灯命も右腕が折れたくらいで健全さ。うん? ・・・そうかい。それは豪華なご馳走を作って灯命と共に待っていなければいけないね。んん? 内緒にしてほしい? また照命君は変な事を考えているね・・・いや答えなくていいよ。私もサプライズは好きだからね。親しい人間の驚いた顔と言うのは肌の健康に良い。・・・うむ、ではまた後日」


 という訳さ。

 彼女の、骨茱灯命のラブコメは当分波乱万丈で、透明に消えている暇もないようだ。

一旦終わり。気が向いたら続きを書きます

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