美しい国へ
パカラパカラパカラパカラ
ザパーっと馬が馬車を引く音と海の波の音がセイ達の耳に入っていた。
「着きましたよ」
ヨウが馬車を用意してくれたおかげで海ノ国まで来れた。
ヨウが交渉して乗せてもらったのは龍人国で数少ない馬車。
だが普通の馬車が龍人国の森を抜けることは難しく馬はAランクのダークホースというモンスター馬車にもさまざまな魔法がかかっている。
サエさんの時のように子供の時から育てたそうだ。
ダークホースは基本穏やかな性格なモンスターでいつも昼間は暗い場所にいる。
夜間は外を駆け回ったりしている。
ダークホースは自由自在に黒い霧を出しその霧を吸うと味覚、嗅覚、聴覚、視覚を一定時間失う。
龍人国の森を抜けるまでダークホースは黒い霧を出しながら移動してくれて無事に海ノ国に着いた。
「ありがとうございました」
「ああいいよ」
「じゃあ報酬をくれ」
テンガは進化してからいつものように鍛治をしていたら新たな称号とスキルを手に入れた。
称号 <至高の一振り>
スキル <付与>
至高の一振りは一級品の品を作ることができるようになり粗悪品を作ることが困難になる。
付与は属性や魔法を低確率で付与することができる。
そこで龍人が報酬に所望したのがテンガの作った魔法が付与された武器。
そしてテンガはマジックポーチからシンプルなデザインの短剣を一本渡した。
「すまないやっぱり一本が限界だった」
「でも付与した魔法は鈍化の魔法斬りつければ斬りつけるほど相手の動きが鈍くなる」
「おー!」
「確かに」
そういうと龍人は短剣を貰いニコニコで馬車に乗りながら龍人の国の方に帰っていった。