王都
その日の夜、セイは久しぶりにヨウと一緒に布団で寝た。
セイは二人きりでも甘えてこないヨウに本当に立派に育ったんだなっとまるで父親のような考えをしていた。
次の日の朝、セイが目を覚ますと視覚が全て真っ暗だった。
セイは現状を確認しようとヨウっと口に出そうとした。
だが口には、いやそもそも顔全体に柔らかい物が当たっており口を開いて喋ろうとしてもその柔らかい物のせいでしっかりと発音もできずその柔らかい物のせいでそのしっかりと発音できていない声すら籠ってほとんど意味がなかった。
それでもセイは諦めずヨウっと言い続けた。
「んんっっ」
「くすぐったい」
ヨウは胸部にくすぐったさを感じて起きた。
ヨウはくすぐったい胸部に目を向けた。
そこには自身の手で胸部に押し付けているセイの頭があった。
「え?」
お、お〜。
な、何でこうなった。
ってさっきからなんか動いてるし、これセイ様起きてるよね。
だ、第一声はなんて言えばいいんだろう。
それからヨウは頭の中でシュミレーションを始めた。
ヨウはセイを胸部から離した。
おはようございます!
セイ様!
今日はお日柄もよく。
ダメだ。
これじゃダメだ。
今の状況を何とかする何か。




