魔法国
「王都に着いたら旅のためにも購入を考えてもいいと思いませんかセイ様?」
「そうだな…」
「確かに長い目で見ればありかもしれないな」
「そうだ!そういった資金はお前たちのものから出る」
「どう思うヨウ?」
「う〜ん」
「資金に余裕は結構あるけど、もし買うってなったら考えてたよりも早く資金集めを始めたほうがいいかも」
「一定の余裕は持っていたいから」
「確かに懐はある程度余裕があったほうがいいもん
な」
馬車の主人は馬を操りながら恐怖していた。
時折馬車の中を覗く主人だったがある事に気がついた。
一人多いのだ。
この馬車には今日あの八人以外は乗っていない。
主人は次にその声がした時に耳を澄まし中を見る事にした。
「そういえば〜」
来た!
主人は恐る恐る中の客にバレないように覗いた。
耳を澄ましその声が聞こえてきた場所は………
暗い女の膝にある何かが入った袋からだった。
そしてその袋が喋るとまるで中に頭だけで生きている人が喋っているのではと思えるように袋が動いたのだ。
主人は恐怖のあまり覗くのをやめ今後あの声がしている時は客を見たり喋りかけたりしない事にした。
「そういえばオレク、今回は船の時みたいに暴れないな」
「そうね」
「今回は陸だし」
「そこまで気にしないわ」
オレクは嘘をついた。




