魔法国
「は!」
セイは意識を取り戻すとムクッと上半身を起こした。
周りで何かガヤガヤしている事にはセイは気付いていたが脳に酸素が回っていない時間が多少あったせいで頭がはっきりとしていなかった。
意識がはっきりしてくると周りのガヤガヤしている音が自分に掛けられている言葉だという事に気がついた。
「セイ様!」
「しっかりしてください!」
「セイ様!」
「セイ様〜!」
「セイ様!」
「せ、セイ様!」
「セイ様!」
「セイ様!」
「み、みんな」
「お、俺の腹に穴」
「空いてないよな?」
「怖くて見れないから」
「教えてくれないか?」
「大丈夫ですよ」
「穴は空いていません」
「そ、そっか」
「良かった〜〜〜」
「それよりも動いて大丈夫なのですか?」
「どういうこと?」
「腹部を見てみてください」
セイはイフリートにそう言われて恐る恐る自身の腹部を見た。
腹部は服が捲られ肌が見える状態だった。
セイの腹部は酷く痛々しいアザが出来ていた。
「あ………」
何故だかは分からないが腹部の痛々しいアザを見た後、セイの腹部の痛みが増した。
ヤバイヤバイヤバイ。
う、動けない。
この状態がもうキツい。
さっきまでは確かに痛かったけどここまでじゃなかった。




