呪い
「今、私はあなたの体内にいる肉を取り出しているの」
「それを全部取ってから怪我とか全部治すわね」
この声はエネス?
肉とは一体?
ん?
私の肉を剥いでいるのか?
いや、直すと言っているのだしそんなわけないか。
それにしても今自分がこうして生きていることにこんな不思議な感覚を抱くことになるとは。
本当に私はよく生き残ったな。
それからどのくらい時間が経ったのかはわからないがエネスは口が使えるようにしてくれて体を起こすぐらいには治療してくれた。
まあ、そうは言っても体中を包帯でぐるぐる巻きではあるが。
治療が終わってからは何があったのかを聞かせてくれた。
聞いた話では私が黒いフードを被った大きな男を殺し男の体に移植された呪いを帯びた肉が私を覆っていたという。
どうやらその呪いで私は死んでいたようだがエネスが肉を全て取り除き回復魔法で生き返らせてくれたようだ。
だがどういうことだ?
私があの男を殺したとは?
私があの男を殺せるはずがないというのに。
私はあの男に完膚なきまでに倒され地に伏していた。
私はてっきり意識を取り戻し状況を整理している時に誰かに助けられたっと思いましたがエネスさんは私が倒したという。
本当に一体何が?




