呪い
それは悲惨だった。
無くなっていく肉。
その無くなった場所からわかるキョウの地肌。
毛はなくなり肌は黒く変色し少し離れてみていたファウとコサメは肌が焦げているように見えた。
そして二人の目は正しかった。
焼けている。
さっきあーくんに付けていたやつと効果が違う。
つまりこの肉が呪っているのはキョウ。
それに触れたあーくんは皮膚を黒く変色させるだけで済んだけど、呪いの的であるキョウは黒く変色させられるのではなく焼かれていたんだ。
キョウに付いた肉を全て取り除いたのは手術が始まってから八時間後だった。
全ての肉を取り除かれたキョウは体中が焦げ見るに堪えなかった。
それにしても運が良かった。
丸焦げにはなっているけど全てが灰になったわけじゃない。
ただ焦げているだけだ。
これなら生き返らせないこともない。
う…………
私は生きている?
目が開かない。
口も開かない。
「あ!」
「意識が戻ったわ!」
「そうだ痛覚切らなきゃ」
生きているとして今の私はどういう状況なんだ?
何もわからない。
何も聞こえないし。
一体?
ん?
目が開きそうだ。
キョウが目を開けるとそこには手が浮いているのを見た。
な、何なんだ?
次に治ったのは耳だった。
「キョウ聞こえてるわよね」




