赤ん坊
「なんとか最低限の魔力を回復させた辺りで仮面の男に見つかったわ」
「男は私を乱雑に片手で持ち上げるとどこかに連れて行こうとしたわ」
「私はその間に魔法を構築したわ」
「男が目的地についたようで私を誰かに渡したの」
「そして」
よくやった。
ありがどうございますオール様。
ではコイツはあの方のもとへと連れて行く。
「って感じで男達は話していたわ」
「私はそのオールとかいう男の手に渡った瞬間に魔法を発動しようとしたのよ」
「でもできなかった」
「おそらくあれは魔法を使えないように対策してたんじゃ無くてあの男が無意識に出してる異質な魔力が妨害していたんだと思うのよ」
「男が私を離したのはテーブルの上にだったわ」
「男は数歩離れて私の向かいには太々しく座る男が一人いたわ」
「まあ、男が離れたお陰で魔法が使えるようになったから偉そうにしてる男が一言目を言おうとした瞬間、転移魔法で逃げてやったわ」
そう言って赤ん坊らしくないゲラゲラという音を立てて笑った。
「まあそんな感じであんた達に会ったわけ」
「へぇー」
「じゃあ奴らがあなたを転移させる時に何か仕掛けたと」
「まあそうでしょうね」
「此処に戻ってきてから色々調べてるんだけどどうやらなかなか難しいみたいなのよね」
「元に戻るには一日徹夜をしないとかも」




