赤ん坊
「私よ!」
「バカね!」
「君が?」
「君とは失礼ね!!」
「私はフィードリア国立魔法学院現理事長にして元魔法軍のトップだったエネス・フォン・アーガスよ!」
「へ、へぇ〜」
「そ、そうなんだ〜」
「まだ小さいのに凄いね〜」
「子供の戯言だとでも思ってるんでしょ!」
「もういいわ!!」
「それよりもまずはお礼を言わなくちゃ」
「あなたが私を連れ歩いてくれたお陰でアイツらに捕まる前に旦那が来るまで逃げられました本当にありがとう」
「え?」
「旦那?」
「そう旦那」
「ま、まさか」
「え?何?」
キョウは赤ん坊の耳に小さな声で聞いた。
「誘拐された?」
「されてないわ!」
「そもそも赤ん坊が喋ってるんだし色々コイツはおかしいし案外この子の言ってること本当なのか?ぐらい思わないか!?」
「なのにどこまでも私のことを赤ん坊扱いしやがって!」
「冗談ですよ」
「え?」
「流石に魔法使いなんだろうなとか年齢は見た目より大人なんだろうなぐらいは考えてましたよ」
「でも本当に見た目と年齢が違うならどうしてそのよな姿に?」
「あ、うん」
「え〜と」
「実は……」
「今日の朝、王城に行かなければならない用事があって王城の中には転移魔法は使ってはいけないと言われていて門の前に転移したの」
「そして転移して次に私が歩みを進めた時いきなり禍々しい魔法陣が地面に現れて次の瞬間転移した時のようにいきなり景色が変わってどこか暗い場所にいたわ」




