キョウ達
キョウはゆっくりと警戒しながら男が入って行った部屋に入っていた。
だがキョウが部屋に入りきると瞬時に部屋ではなく廊下に変わった。
キョウは一瞬ビクッと身を震わせたがとにかく前に進んでみることにした。
暗いの廊下をキョウは夜目のお陰で平然と歩くことができた。
どれくらい歩いただろうか。
キョウは小一時間歩いたせいで疲れが見え始めていた。
な、長い。
前を向けば光差す場所は見えるが一向に近づいている感じがしなかった。
「少し休憩しようかな」
キョウは壁に背を預けようとした。
だがあるはずの壁をすり抜けキョウは倒れてしまった。
「え?」
キョウはあまりにビックリしすぎて少しの間思考が停止してしまった。
そのせいで誰かが話していることを気づかずにいた。
「聞いているの!!!!!」
その大きな声でキョウはやっと思考を取り戻すことができた。
「あ………え?」
思考を取り戻したキョウは声の主を見るために起き上がり声の聞こえた方向を見た。
そしてキョウは驚愕した。
声の方向にいたのはハイハイをしてこちらにゆっくりと近づいてくる赤ん坊だった。
「さっきの声はいったい何処から?」
キョウが考えようとした時、まるで考えさせないかのようにすぐにその声の主人がわかった。




