キョウ達
そして後もう少しで魔術師の伸ばした手が男に届くという距離まで近づいた時、左右にあった仮面の男達が眩いほどの赤色を放ち爆発した。
魔術師は左右から爆発の余波を受け空中を捩れるように回り倒れた。
男はというと何事もなかったかのように壊れた空間へと入って行った。
男は空間に入り拳をギュッと握りしめると割れた破片が戻るように空間が治っていった。
残ったのは仮面の男達の肉片と爆発によって壊れた壁や石畳そして一人形を保って生きた魔術師が一人。
それが起こったのは何の前触れもなかった。
それは何処からともなく現れた。
それは黒く液体のようで魔術師と仮面の男達だったものを呑み込むかのように包み込むと地面に溶け込むように魔術師と仮面の男達もろとも無くなった。
そこに残ったのは爆発跡のみだった。
蝋燭が一本火を照らしてある部屋にて。
魔術師は体に走る痛みで目を覚ました。
目を覚ましてすぐ魔術師は混乱した。
痛みを感じていることに。
自分の主人は我々を改造するときに必ず痛みを感じないように処置してくださる。
とても心優しいお方だ。
それも今後一切痛みを感じないようにも改造してくださった。
なのになぜ今、痛みを感じているのか?
混乱していた。




